分娩に関しては、基本は妊婦様の意向次第である。出産前にバースプランを立てていただき、基本的にその意向に沿う形でと思っている。ただし、そこに医学的な理由があり、医学的介入が必要であれば、その程度の応じて、”柔らかく助言をする”から、”強く勧める”までの形となる。

最終的には妊婦様とその家族の意向で決定されるわけで、こちらがいくら勧めても、同意が得られなければ、そのままの形となる。こうした私からの推奨は、基本的には過去の経験に基づくものが多い。

DSCN1040 (1280x955)


緊急性のあるものであれば、即断が必要であり、帝王切開であれ、吸引分娩であれ、母体搬送であれ、速やかに事態は進む。短時間で結論を迫られ、よく考える時間もないと思われるかもしれないが、その分悩む時間がない。後で落ち着いた時に思い返すことはあるかもしれないが、その時点では、次のステージ(育児・哺乳)の問題が生じるので、関心はそちらに移ることであろう。悩むとすれば、子育てが一段落し、次回の妊娠の前後となるかもしれない。

一方、ゆっくり進む分娩であれば、これは時に悩ましい問題を引き起こす。もともと分娩であるから、その予測は難しいのに、ゆっくりとなると、その時間的な展開を妊婦様に説明することは難しい。破水してなかなか分娩が進まない場合もあれば、際限なく続く陣痛発作に襲われながら、いっこうに分娩が進行しない場合もある。

お産がゆっくりすすむのであれば、それはそれなりに理由があるわけで、赤ちゃんが大きいとか、骨盤の進行方向が少し歪んでいるとか、赤ちゃんが上を向いているとか、・・・・云々。陣痛が弱くなっている、ということであれば、必要時胎児心拍と子宮収縮をモニターしながら、薬剤で陣痛をつけることとなる。しかし陣痛を促進したからといって、分娩が必ずしも進むとは限らない。

どう考えても、赤ちゃんの大きさとお母様の骨盤の状態からすれば、陣痛さえ来れば、生まれそうなものであるけれど、やはり生まれないことがある。なので、やはり自然の陣痛が一番であるし、自然の陣痛で進まないのであれば、それはそれなりの理由があるし、だからこそ、赤ちゃんの状態が良ければ、自然の陣痛が来ることを待ちたいと思っている。

しかし、破水した場合、どこまで待つかとういことになる。母体が発熱した場合には、母体の疲労が著しい場合には、と、さまざまな状況が存在する。そしてそこに家族の意向というものが加わり、やはりお産は人さまざまなのである。

そして、当たり前の結論であるけれど、最初に戻るのである。つまり、緊急を必要とする事態であれば、速やかに判断をうながすけれど、緊急を要しない事態であれば、緩やかな助言にとどまり、事態の推移を見守るということになるのである。

当たり前のことであるけれど、しかし陣痛が来てひーひー言っているお母様にそうした道理を説明してもなかなか理解は難しいかもしれない。なので赤ちゃんが元気な間は、私も含めたスタッフは進行を見守り、お母様から問い合わせがあればお応えする。でも緩やな進行であれば、その見通しの説明はむずかしい。

DSCN1041 (1280x949)

フェンス沿いのバラのお手入れをしました。思い切ってバッサリと。野ばらは特によく茂っていました。

DSCN1049 (1280x959)

問題はこれ。剪定した後の枝です。本来なら堆肥にとすべきですが、棘があって、扱いに苦慮します。ごみとして出しても、棘があるので・・・。乾かして、燃やして、少し量を減らせれば、とおもうけれど・・・。バラ園ではどのようにおていれをしているのかな、と思うばかりです。


2018年の出産件数は540件であった。帝王切開であれ、自然分娩であれ、無痛分娩であれ、基本的には院長である私が担当する。ただし、帝王切開とお産が同時並行した場合、あるいは私が所用でどこかに外出して代行をたてていて、お産で呼ばれても帰宅が間に合わない場合には、他の産科医に分娩を依頼する。しかし、それ以外の場合は基本的に私が担当する。

確か、2018年には、クリニック過去最高の1日6件の出産があったような気がする。今朝もこのブログを書いているわずか3時間の間に3名生まれた。お産が続くと、それなりの負荷が私にかかるので、それは疲労が増すわけであるけれど、当院は基本的に一人産科医の施設なので仕方がない。でも、考え方を変えれば、一人医師なので、お越しになった妊婦様は顔見知りであるし、その方を外来から出産の入院、そして産後の診察までを通してみることになるわけで、その点一貫していることになる。

責任の所在も明確であるし、私自身その方が気が楽である。と同時に、そうした経過を見ることを続けていくことで、私自身のやり方もその結果を見ながら少しづつ変更を加えていくことになる。

DSCN1035 (1280x959)


年間540件であれば、月に40数件のお産があり、1日に1名から2名生まれる勘定になる。統計を取ればそうであるけれど、現実には、そうなる日もあれば、そうならない日もある。時に6名生まれ、あるいは短時間で3名生まれて、と。ま、いつも土砂降りが続くわけではないし、時に晴れれば、時に雨が降り、台風も来る、くらいのほうが変化があって、楽しいと最近考えられるようになった。(私なりの適応である)

とはいえ、待機室に時に数日鎮座される分娩待機者の方がいれば、あれこれ考えて頭を悩ませるし、の方のお産が済まない限り、快晴とはならない。

自分で選んだ道であるし、まだ私の能力の範囲内であるので、当面はこれでいいかなと思っている。ただいつの日か私の体力面での衰え感じたら、どうするか、という大きな課題が残っている。

DSCN1034 (1280x947)

写真は、クリニック前の路側帯に咲く水栓。ようやく咲き始めた。

2018年1月から12月までに当院で540名の新生児が誕生しました。その中で、通常の自然分娩(これは吸引分娩も含みますが)が265名と約半分を占め、無痛分娩で172名、帝王切開で103名の新生児が誕生しました。外来にはのべ13,894名の方がお越しになり、うち1858名の方が新規にお越しになった方でした。

ちなみに、2007年の開院以来、通算で5894名の新生児が誕生し、その内訳は2422名が自然分娩で(約41%)、2546名が無痛分娩で(約43%)、926名が帝王切開で(約16%)となります。

一方、せっかく妊娠したけれど流産という形となった方も年間で30数名存在しました。これは手術を行った方々ですので、これ以外に自然に排出された方も多数存在するので、妊娠において自然流産に終わった方々が1割から2割程度存在したと考えています。

また、さまざまな理由で妊娠を中断せざるを得なかった方もいらっしゃるわけで、その理由は様々であり、苦悩の選択であったことと思います。こうした方も約1割程度存在します。

DSCN0954 (1280x959)

さらに当院で出産予定であっても、途中で急激な合併症の出現のために高次医療施設を紹介という事態もあるわけで、救急車での母体搬送が14件となりました。生後の新生児の状態でNICU施設への搬送も15件存在しました。また外来で、他施設(これは高次医療施設や専門外来の施設)に紹介した方々が60名に達しました。

これ以外に里帰り、希望による転院などもあるわけで、それらもすべてひっくるめて、当院での成績ということになります。

こうした様々な方々の積み重ねにクリニックの一年があります。クリニックを何らかのご縁があってお越しいただいた方々に、すべての望ましい結果を提供できればいいのですが、残念ながら100%望ましい結果を提供できる、という事態には至っていません。

妊娠出産に伴う事象で、100%望ましい結果をだすことはなかなか難しいことでありますが、できるだけそうなるように心がけたいと思っています。と同時に、残念な結果に終わった場合、その行程をきちんと振り返って次回につなげるられるように、あるいは高次医療施設の紹介も含めて検討する、という真摯な態度が必要です。気を引き締めて、2019年からの診療に向かいたいと思います。

DSCN1005 (1280x960)


写真は、昨年の10月に植えたビオラ。少し大きくなりました。2枚目は、動物園のたわわに実る柑橘類。これは誰も取らないのであろうか、ともったいなく思いました。


↑このページのトップヘ