当院での出産を希望される方は、分娩の予約が必要である、ということを開業以来続けている。そして数年前から、不思議なことに毎年夏場がお産の予約状況のピークを迎える。6月から9月くらいまで、そして秋から冬場にかけてもう一つピークがある。

人間の能力には限りがあると思う。その自分なりの見極めはなかなか難しく、極限の状況となればもう一歩別な力が出るかもしれない。しかし、通常の状態であればやれることに限りがあるし、それ以上の能力を出し続けることは、結果として消耗につながるので、名が続けるつもりなら、能力の範囲内で、かつ怠けないように動くことが大切であると思っている。

クリニックの能力も同様である。私の能力に加えて、スタッフの充足状況とその能力、施設自体の能力の範囲内で事に当たるわけである。その能力がお越しいただく方の希望にこたえられるように日々の修練と場合によっては補修・補充が必要である。

そうしたうえで、当院の毎月あるいは毎日の診療能力というものがあって、その範囲内で診療を続けないとオーバーワークは私にとっても、クリニックにとっても、スタッフにとっても、そしてお越しいただく方々にとってもためにならない。

ということで夏場に分娩予約をいただく場合、時によってはお受けすることができない場合がある。それはせっかく当院で出産をという方々の気持ちにはお応えしたい。しかしそうした方々を引き受けることで、既に引き受けてしまった方々への対応がおろそかになってはならないが、やはり能力を超えた状態での診療を長期間続けることは不可能である。そのため2015年の夏場のお産の、今後の新規申し込み予約はむずかしいかもしれないな、と思っている。

お断りするのは誠に心苦しいし、断られた方もきっといい気持ちはしない。それはわかっているが、やはりできないのであればできないと、はっきりお伝えすることも大切である、と思っているし、私自身がいつかそういう立場になれば、それはそれで仕方がないとあきらめると思っている。

ただ今後のことを考えれば、診療体制の変更ということも考慮しなくてはならない、と先送りしてきた問題に対処すべき時が来たのかもしれないな、と。

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裏の花壇の芍薬のつぼみが大きくなってきた。近日中に咲くことであろう。裏の銀色の車は、私現在の愛車である。