当院に妊娠した、ということでお越しになられた方を、妊娠と診断すると、もれなく予定日が表示されることとなる。この予定日は、その後の胎児の大きさによって補正されることもある。で、問題はこの予定日という表現であろう、と思っている。

予定日といわれれば、その日が生まれるはずの日と誤解してしまう。私の理解では、この予定日は過去の経験により大体この日をめどとして陣痛が来て生まれる場合が多い、その起点となる日である、と思っている。これは人種に関係なくということである(実際に当院にお越しになる外国籍の方にもこの予定日でお話をしている)。

人種という問題より、ヒトの個体差という問題があるので、予定日はその人によって様々であろう。36週くらいの人もいれば、42週くらいの人がいてもいいのでは、と思っている。(この問題の根底には、どうやって陣痛が生じるのかという問題もあるが)

予定日は、その対象女性の最終月経より換算し、妊娠初期の胎児の大きさ(通常CRL)により補正をすることとなっている。産婦人科診療ガイドラインでは、CRによる補正は1週間以上の誤差があるときに、補正すると記載されているし、また実際CRLによる妊娠週数補正においては±1週間という表示がされるので、やはり1週間単位で考えるべきであろう、と思っている。

このように女性の最終月経の開始日と胎児の大きさによって決まる予定日であるから、生理の日認識のずれ、あるいはCRLの微妙な差によって、予定日は微妙に変わるものである。妊娠初期にはそうした誤差はたいしたことはないのであるが、問題は予定日を過ぎてからということになる。

予定日といわれていて、その日までに産まないといけないような気がして、予定日を超えると当然不安になる方もいらっしゃる。予定日を超えたらそれではどうするか、と。陣痛促進剤を使って分娩を、というと促進剤を使うということへの不安やためらいのある方もいらっしゃる。それでは、待ちますか、と。

現在陣痛促進剤を使うことには、様々な医療的な制限があり、当院では原則はその医学的適応を満たす場合(つまり医学的に必要である場合に)使用することとしている。予定日を過ぎて41週になった、破水した、遠方である、…など。入院の上で、機械を装着して、薬剤による陣痛促進となる。

しかし、薬剤を使えばすべて生まれるというわけではない。子宮の頸管の拡張という手技を最近はあまり行わないこともあるが、でも外子宮口が3cmくらい開いていても、薬剤を使用しても生まれない場合がある。となると、待つか、希望があれば帝王切開ということになる。

このように、予定日を超えるとなかなか悩ましいのでる。そして、実は予定日を超えた妊婦さんが多数存在すると、私自身も落ち着かない。宿題がいっぱい残っているようで、早く片付けたい、と。しかしこればっかりは急いでも仕方のないことであり、医学的適応のない限り、そして患者様の希望がない限り、私としては待つしかない。ということで、私のくぎ付けの理由となる。

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クリニックでよく見かけるジョウビタキ。同もここを自分のテリトリーと定めたようである。

昨日は、クリニック内に入院されている方々もすべて結論が出て、私としては当面の宿題解消であった。(まだ外来には数名宿題状態の方がいらっしゃるが)