昔、寒い家の片隅に、ぽっと光る空間があり、そこに行くと梅の香りがかすかに漂う、という思いがある。うちの中にある盆栽の梅の香りであったような気がする。今となっては、その場所がどこであったのか、あるいは私がどこかで読んだ本の世界なのか、自信がないが、でもやはりどこかの場所であってほしい、と願っている。

そういう思いがあって、梅には思い入れがある。桃より梅、桜より梅、である。厳密にいえば、蝋梅は通常の梅とは異なるが、しかしこの寒い時期に蝋梅の黄色い花と香りをかぐと特にほっとするので、好きな木でもある。だから当院でも中庭に1本ある。

DSCN0988 (640x480)

実はこれ以外に白梅が1本あるのであるが、これはまだ小さいことと(芝の剪定の時に間違って根っこから切り落とされたが、復活したこともあり、さらに小さくなった)場所が日当たりが良くても風が強いので、あまり香りがまだピンとこない。

DSCN1002 (640x461)

この写真の一番手前の枝だけ伸びているのが、白梅である。まだ芽も堅く、小さい。

紅梅、しだれ梅と考えないでもないが、場所を考えると植える場所もない。残念である。しかし梅の香りはあくまでも個人的な好みなので、それはそれで仕方がないということも理解している。

さて、今日から3月。気温も少し上がりつつある。庭仕事の時期ととなりました。