当院では大体40名から50名前後の新生児が誕生する。ということは1日1名から2名生まれる勘定となる。しかし不思議なもので、生まれる日もあれば生まれない日もある。熊本地震は、1回目が4月14日の夜、2回目(此方がさらに大物)が16日未明である。

当院では、4月13日に帝王切開と自然分娩で2名生まれ、14日に3名生まれた。で、地震が来て、15日は何とか外来をして、つかれて夜が来て、その夜に2回目の大物に見舞われ、停電した。16日の外来は休んだ。で、17日はさしあたりやれやれと思っていたら、陣発で1名入院し、出産となる。

それからしばらくお産はなくて、19日に2名、20日に3名、21日に1名、22日に2名、23日に4名、24日に2名、25日早朝に1名、ということで、17日以降に16名の新生児が誕生したこととなる。

地震の時に出産という事態にならなくて、本当に良かった。2回目の地震後は、停電となり、水も使えず、入院された方々には様々な制限を強いることとなった。それでも母児ともに元気に退院できて何よりであった。

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実はこの震災後の期間に帝王切開を予定していた方々がいた。16日、20日、23日と。これらの方々は、当院での対応は不可能と判断し、高次医療施設を紹介した。急遽な転院で患者様にはご迷惑をおかけした。申し訳ございません。

さて、震災後1週間が過ぎた。まだ余震は続くけれども、ま何とか診療はできる。部屋の掃除も昨日少しできた。ようやく、一息つけた。お産のある施設では、日曜祭日であろうと、夜間であろうと何かある。そこに震災後の対応も加わり、本当に多忙な1週間であった。

震災直後から各方面から支援をいただいた。皆様の熱い気持ちに深く感謝申し上げます。そしてそうした皆様の支援の気持ちが、私自身を前を向いて歩く勇気をいただくと、改めて感じるはかりである。

今の私にできることは、普段通りの診療を普段通りに続けることである。


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写真は、玄関わきのヤマボウシ。帽子の花が開き始めた。