平成28年4月の熊本地震での当院の被害は、待合室の大理石タイルの損傷、建物接合部分の損傷、外壁・内壁の多数のクラックであった。すべての補修は不可能なので、建物の維持のために必要な補修を行うこととした。建物の表面のクラックは、補修の基準というものがあって、それに応じて適切な補修をすることなる。

建物の塗装部分には、結構なクラックが縦横無尽に走る。そして、残念なことに、そのクラックの数か所で雨水の侵入が確認された。大雨で徳所な方向からの風向きの時にという限定条件であるが・・・。また屋上から建物の内部を通る排水管も一部損傷し、その結果病室の一室に雨水の進入という事態もあることも判明した。

つまり、クラックを放置して、時の経過とともに雨水が侵入してくる様になれば、ヘアラインと呼ばれるクラックも少しずつ広くなり、その結果多数の漏水の原因となりかねない、と判断されるわけで、となると今のうちにクラックを補修するしかない、ということになる。

クラックを補修するためには、塗装部分はクラックに充填剤を注入するわけで、その結果多数のひび割れの線が目立つようになるし、雨水への対策として、その部分をした地塗りをしてさらに塗装をすれば、雨水の侵入に対応できるであろう、ということである。その結果として、建物塗装面はきれいに仕上げられた。

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さて、この面はこれでいい。問題は、タイルの面である。タイルは一部浮いたり、割れている。これは放置すれば、崩落や雨水進入の原因となる。そこで、コツコツと建物表面をたたいて、タイルの浮を確認して、はがして、下のクラックを確認して、補修して、という作業となる。

北側の部分は、塗装面なので、クラックを確認して充填剤を注入する、という行程である。

さて、これらの補修は外壁。そろそろ内壁の補修も開始される。構造壁と呼ばれる部分を中心に充填剤を注入し、水漏れのあった病室の補修(311号室)となる。果たしてすべての工程が年内に終わるのか、そしてその費用はいかほどになるのか、これが残された頭の痛い問題である。

10年目の補修は必要であるとの認識は私の中にあった。今回熊本地震のために、その10年目の補修を繰り上げる形で行うこととなった。それは今後の建物を安心して使えるようにということが第一であるが、たぶん私が今後元気に働ける間はクリニックはしっかりしている、ということを保証することでもある。