前回の記事のPCである。図体はでかいが、中身は軽いので、持ち運びは楽であった。持ち込んでDVDの交換は30分ですんだ。

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 PCに限らず、機械は壊れるので、それを前提に後々の対応が必要である。院内の様々な備品は常に同じような問題と遭遇する。また建物もそうである。当院も経年変化と、熊本地震の影響で少なからず被害を蒙り、その補修作業中である。ようやく、そのあらかたが終了しつつある。

 さて、一方人間自体はどうであろうか、と。人の体もいつかは何らかのトラブルが発生することであろう。私自身56歳であり、あと何年働けるであろうか、という思いはある。実際、最近歯科に週1で通っている。

 私の周りを見回すと、産婦人科を開業している産婦人科で、私と同じような有床診療所(つまりお産を取り扱う施設)で、という条件で見まわしてみると、私より若い先生は3名ほど。後は皆様私より年上である(というか、私が開業したときには、既に開業されていた先生方である)

 生涯産婦人科という考えもないではない。実際私の父は生涯産婦人科であった。ただお産を取り扱う施設と案れば、やはりここの体力と体調管理の問題が生じる。私の場合、あと10年はやれると思うが(そのために今回の大規模補修である)、そのあとはできれば後任者に道を譲りたいな、という思いもある。私自身はそのように考えている。というか、体調不良で正確な診断や治療ができない、という事態は避けたいと、と。

 他の産婦人科施設がどのように考えているか、それは私の預かり知ることではないけれど、でも今の状況(少子化、開業産婦人科医の高齢化、産婦人科医師の減少)を考慮すれば、5年後、10年後、20年後と熊本での出産の選択肢は減ることであろう。その時点で何らかの形で当クリニックが存続できることを願うが、そのためには壊れたPCを順次補修するように、そうした努力が必要となる。

 物は補修できても、人は補修できない。つまり当クリニックが存続するためには、継承という問題を避けては通れない。そうしたこともそろそろ念頭に置いて、診療を継続することとなる。

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今しばらく、そうした俗世間のことは忘れて、蝋梅の匂いに浸りたい、という思いはある。日当たりが良くて、風の通らない場所で、日の光を浴びながら、ゆっくりお茶をのみながら、団子を食べて、ごろごろと過ごしたい、ものである。