計画出産という言葉が妥当かどうか、微妙なところであるが、基本的には何月何日に出産を予定してなにかをする、ということであると思う。

帝王切開であれば、予定した日に基本的に生まれるが、時には予定した日の前に破水したり、陣痛が来たりなどの例外的な場合には、予定した日以前に生まれることもある。

一方経腟分娩であれば、これは絶対生まれるとは言えない。かりに外子宮口が4-5cm開いていても、数日かかる場合もある。まして、外子宮口が閉じている初産の方の場合、生まれるかどうかはやってみないとわからないのが事実であると思う。

さて、当院で計画出産をという場合には、その前日までに入院し、当日の朝から薬剤(アトニンあるいはプロスタグランジンE)にて適切な子宮収縮を誘導し、出産に至らせるというものである。こうした薬剤を使用する場合、分娩監視装置で適切な陣痛間隔を確認し、児の状態を観察しながら、薬剤を使用する、ということになっているので、当然入院が前提である。

以前は、その前処置として、子宮頸管拡張という操作をメトロインテルという装置を用いて行っていたこともあったが、現在その使用には安全のため様々な付帯事項があるので、現在は原則としてこの頸管拡張という操作を行わない。そのため、ますます、薬剤による陣痛増強による出産の成功例が低下したような気がする。

つまり、薬剤を使っても見かけだけの陣痛で、一向に分娩が進まないことが多くなってきた。その結果1日かけても、2日かけても生まれず、いったん退院あるいは帝王切開を考慮という選択肢に追い込まれる。また妊婦様の気持ちになってみても、生まれると思って入院して、生まれなくて退院というのは複雑なところであろう。

そのような状況であるので、現在計画出産は行っていない。予定日が過ぎて、41週となった場合、あるいは破水が明らかな場合、などに限って行っている。

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開業当初は私自身計画出産に対する十分な経験がなかったこと、スタッフが少なく昼間にお産があることが望ましいこと、などより計画出産で、希望があれば無痛分娩併用としていた。

しかし、計画出産で生まれない人が意外と多いこと、やはり自然の陣痛のほうが分娩に至りやすいこと(自然の陣痛であっても途中で進まなくなることもある)、そして前回あるいは前々回に書いた病床数の問題、などより計画出産を原則行わない、こととした。

遠方である、家族の事情である、などの理由で時折引き受けないわけではないが、その場合にも計画出産では帝王切開以外には、必ずしも生まれる頻度は高くない、ということを前もって説明すると、計画出産を辞退される場合も多い。

こうしたことの背景には、やはり予定日までに産みたいという人間の心情というものがあるような気がする。予定日という言葉の響きが悪いような気もするが・・・。

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写真は、近隣の小学校中学校の間の銀杏並木である。上を見上げれば、茶色いものがついているし、この時期この近くをとおると独特の匂いがこもる。

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地面にはこれである。これを目当てに、この界隈を歩き回っている人も多い。銀杏の実の季節となりました。次はそろそろ稲刈りでしょう。秋も少しづつ深くなります。