薬剤や各種の検査を、実際に人体に使っていいいかどうかの、最終確認検査(治験とかフェイス3とか)では、その検査治療に伴うリスクを説明して、同意の得られた人にさまざな治験を行い、その結果をもって最終的に申請し、実際の臨床応用となる。ただ、それらの対象者となる人は、男性であることが多かったので、現在医学は男性で得られた結果をもともになりたっているので、男性医学である、と。

これは、女性の場合、月経中(生理中)の様々な体調の変化や、妊娠授乳に伴う危険因子の増大から、そうした変動のリスクを排除するためそうなった、と。男も女も、同じヒトであるからというものである。

しかし、実際には女性に、男性をもとにした様々な検査や治療を行えば、予測のできなかった何かがお庫あることもあるし、また女性なりの体調の変化、年齢の変化、妊娠出産にともなう変化を考慮した医療を考慮すべきである、というような論旨から女性医学という観点が最近語られるようになった、と聞いたような気がする。

私自身産婦人科医として働き、ということは私の対象は、女性である。とはいえ、新生児だけは分け隔てなく男も女も見るし、また時に、妊婦様のご主人が風邪ひいたとか、ワクチンをとか言われることもあるので、少しだけ男性を診療の対象とするけれど、私の主たる診療の対象は女性である。

先日そうした女性医学の講演会があったので、参加した。なるほど、と。これは日常の診療に応用せねばとおもうところであった。

で、ふと思った。ということは、男性医学という観点も必要であろうと。男性の更年期も語られているし、そうした話を盛んに唱えている分野もあるけれど、以外盛り上がっていない、と講演会の最後に演者の方から伺った。

男性医学というべきか、あるいは老年医学というべきか、と。人間を考える過程では、年齢上の変化をやはり考慮すべきあると改めて感じたのでもある。

そしてこうやって書いているとさらに思うのであるが、女性の場合、閉経後に女性ホルモンの影響が大きく低下することなり、結果として中性的なイメージが強くなる。また夫婦は長年連れ添うとお互いの顔が似てくると聞いたような気もする。つまり、性成熟期(女性ホルモンと男性ホルモンの影響が顕著な間)を過ぎれば人間はおなじである。あた、性ホルモンにさらされる前の時期、新生児から学童期までも同じかもしれない、とも思う。

つまり、産婦人科として女性だ気を対象として考えるのであれば、性成熟期の間を、それ以外であれば小児科あるいは老年科ということかもしれないな、と。

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中庭でまださいている黄バラ。そろそろ花弁も寒さで傷んでいる。この場所は日当たりがいいので咲くけれど、そろそろバラのシーズンも終わりである。

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