3月21日 朝8時30分から、熊本県の医師会館で、J-CIMELSの”母体急変時の初期対応”のベーシックコースが4時間の内容で開催された。

産婦人科医たるもの、ぜひ参加をということで、私も青木先生に当院での待機をお願いして、参加した。朝方にお産が1例無事済んで、さあ行こうと思ったら、もう1例。患者様に事情を説明して、青木先生にお願いして、向かうと到着したのは8時30分直前。すでに多数の方が着席していて、関心の高さがうかがわれた。

オープニングの講義に引き続き、プレテスト、講習、シナリオスタディとすすむ。4時間の講習がようやく終わる。私の場合は、ベーシックコースだけなので、これで終了である。午後にはアドバンスコースが同じように4時間開催され、両方参加する医師の方が多く、関心の高さを物語る。

ベーシックコースは有床診療所や、高次医療施設でも夜勤帯などのスタッフの少ない時間帯を想定した講習であり、アドバンスコースは高次医療施設での搬送後の講習であり、私に必要なのは、ベーシックコースである。そしておの内容に応じた当院の診療体制の構築ということであろう。

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身の丈に応じた診療をしないと意味がないし、長続きもしない。でも時には背伸びをする必要もある。また、万一の事態は、時にいつでも起こりうる。時に起きるから、用意を怠ると大変なことになるけれど、時に起こるから対応が難しい。だから、シナリオで学ぶのである、というのは講師の言葉である。

症例が少ない、あるいはお産を取り扱わなければ、そうした症例に出会わないということもない。またいつも私がいるわけでもない。でも、できることはやはりきちんとしておきたい。そうした思いで参加した。

正直言うと、この要求されるすべての体制に応えるためには、人も、物も、そして時間とお金が必要である。いつも起きるわけではないけれど、でも万一が生じたら、ということもある。と同時に、こうした万一の体制に備えて用意をしておくことは、そうしたスタッフの職業意識を高めるということであるかもしれない。

すべてを完全に今の時点で用意することは難しい。一時的に用意できても、それが維持できなければ、万一の時には役に立たない。その意識をもって、クリニックの体制をそうした対応ができるような形に少しづつもっていければいいな、と思っている。

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クリニックの中庭で咲き始めたハナニラ。風にたなびく姿が私好みである。今日は天気が回復するといいな。