現地にウィメンズクリニック グリーンヒルを設立するにあたり、私はとある銀行2行と両親に借金をした。そのため、実家の建物は、その銀行により抵当権が設置された。

開業当初は、父は出町で診療を続け、私は戸島で産婦人科医院を開院し、しばらくは手術などで父に手伝ってもらった。しかし年齢的なこともあり、父は出町の西村産婦人科を7-8年前くらい閉院した。閉院してしばらくは、実家の産婦人科は倉庫として使われていた。しかし、次第に使われない建物は劣化していく。

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そしてそこに熊本地震であった。多少なりとひびが入り、RCで作られた3階建ての建物は維持されたが、屋上の給水タンクが腐食と地震の大揺れで屋上から落ちそうな状態となった。また、寮や厨房や倉庫として使っていた建物にも被害が及び、その一部は公費解体した。

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更地になり、今は、かぼちゃが植えられている。

で、ふと気づいたのであるが、これらの建物と土地は銀行に抵当権が設置されていた。勝手に解体してよかったのであろうか、と。そこで、銀行と交渉して、遅ればせながら、抵当権を解消してもらった。

これでようやく解体できる、と思ったのであるが・・・。

熊本地震後、熊本の解体や建設に関する費用の相場が上がった。地震後2年もすれば、下がってくるという話であったけれど、相変わらず高値でとまっている。さらに解体費用を見積もりすると、とんでもない金額となることが判明した。

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この写真は、実家に向かう途中で撮影した、旧NTT病院の解体地である。この青緑の構造は、実は重機であり、地面以下の部分を掘り進んで作業している。つまり、病院の基礎工事の解体は極めて大変なのである。

実家も昭和42年竣工であり、その地下には基礎工事として太い杭が数本ある。これを抜くためにはさらに費用がかさむという事実である。そこまでして、解体して、更地にしても・・・・・。

この基礎工事の撤去は、グリーンヒルでも同様である。まさか、作った時に、解体することまでは考えていなかった。その費用はとんでもない額となることであろう。

でも、実家の場合、屋上にある給水タンクが万一転がり落ちたら、とんでもないことになるわけで、どうしようかと母と思案中である。