さっさと行って、さっさと帰ろう。書いていて思いだしました。これは確かに私の基本であるけれど、この言葉に似たものを初めて耳にした当時はこうではなかったな、と。

当時私は、大学のラグビー部所属。授業が終わり、夕方になると少しづつ仲間が集まり、汗臭い部室での着替えが始まります。しかし、ただでさえこれから始まる練習を思うと憂鬱で、着替えもすすまず、それは私に限ったことではない。

おまけにそうしたときに限って、雨でも降ろうものなら、ますますそうなる。そうしたときにキャプテンが、さっさとやって、さっさと帰ろうぜと、みんなを鼓舞するわけで・・・。そして誰もがわかっていることですが、さっさとはじめても、さっさと終わらないのが、世の常で・・・。

着替えて、雨の中に足踏みしめて、グラウンドへ。当時はまだ医学部の裏のグラウンドは、駐車場ではなくてはグラウンドでした。雨の中で走り始めれば、最初は泥水をはねて、洋服が汚れ、ブーツに少しづつ雨水が染みてきて・・。そしてスクラムの練習が始まるころには、お互いの汗と雨土の匂いで独特のかぐわしい匂いが形成されます。仕上げに、セービングの練習ということで、水溜まりに向かって飛び込んで、と。気がつけば、泥と汗にまみれ、時間も2時間が過ぎ、と。

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いまとなっては、30年以上前の話となります。当時、さっさと始めることはできても、いったん始めればそれなりに納得のいくものとなるまで、終わらない、ということは暗黙の了解でした。

そしてたぶん今も、さっさと行ってと自分を鼓舞して、そしてさっさとやって帰りたいけれど、ある程度のところで納得できるところまでやらないと、また再度やらないといけないので、きちんとやって、それから帰る、終了する、ということかな、と。つまり仕事始めになかなか気が乗らず、あまり仕事をしたくないときに、自分を励ますスタイルとしてこの言葉だけが、呪文のように残っているな、と。

ということで、さっさと仕事を始めることとしましょう。

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上段は咲きかけの新雪、下段はまだ硬いつぼみのステンレススチール。