分娩は、当然妊婦様が赤ちゃんを誕生させるという当たり前のことであるけれど、当事者はその妊婦様と赤ちゃんだけではない。時には、ご主人が付きそい、あるいは実母が、妹や姉が付き添うことがある。極めてまれであるけれど、時に父や子供が付き添うこともある。

つるっと短時間で生まれて、かつお母様が平然とした態度でお産に臨むのであれば、その付き添いはたぶんどなたでもいいかもしれない。でも実は、お母様は平然としていても、心の中ではこのようなシーンは他人は見られたくないけれど、我慢しているということもあるかもしれない。

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一方、入院しても、そう簡単に生まれない場合がちょっと面倒なことになる。破水した、明日までにはうまれるかな、くらいの気持ちで入院して、と。それからいい形で陣痛が来ればいいけれど、陣痛がなければ薬剤で陣痛様の子宮収縮を起こすこととなる。その子宮収縮に反応して、お産が進行して、生まれればいいのであるが・・・。

確かにそのまま生まれる場合もある。でも、生まれない場合もあるわけで、そうなると翌日再度挑戦ということなる。その間、家族が付き添う場合、人によっては付き添うことで本人が安心される場合もあれば、長時間だとお互いが少しストレスを感じるかもしれない。まして、それが2日、3日と続けば・・・。

そこら辺から微妙なずれが生じることもあるかもしれない。自分の考えていたお産とは違うと。あるいはサポートする家族の思いもずれてくることがあるかもしれない。

お産はお祝い事であるし、新しい家族が増えることは極めて望ましいことである。ただし、それまでの過程に紆余曲折がある場合もあるわけで、こればっかりは、お産に関してはいつも不確定事項である。その点をお産に関与する皆様が広い寛容の心で受け止めていただければ、と願っている。

人生の中でのお産という経験を、出産するお母様だけでなくて、付き添われる皆様にとってもいい経験となることを願っている。お産に対する期待と不安を、皆様自身のその時の経験で裏打ちをしていただいて、今後の人生の糧としていただければ、と。

とはいえ、苦い思い、恐怖感、痛み、などのネガティブな面においては、なかなかその克服は難しいのも事実かもしれない。時間の経過とともに少しづつ解けていく思いもあるかもしれない。

そして、私も含めて当院のスタッフ全体で、皆様のお産を振り返り、お産自体がどうであったかという検討をすることも大切なことである。スタッフ全体の意気込みとして、100%のお産をと思って対峙しても、スタッフの空回り、過剰な点、いたらない点、様々な反省すべきところがあるかもしれない。後々気づくこともあるかもしれない。そうして点をきちんと認識して、今後のお産にいかす、ということも施設として大切なことである。

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クリニックのフェンスに植えた南天。私自身の期待では、12月末に取り入れて、正月用にというおもいであったが、どうも鑑賞用にはいたらないようで・・・。