クリニックの会計(厳密には法人の会計)は、3月末が決算の時期である。4月から3月までの売り上げ、支出、各種貯金残高そのたをきちんと整理して、最終利益に応じて税金を納めて、といのが通常の方である。通常のクリニックの会計(日々の売り上げの集計、各種の業者への支払いなど)は私が日々行っているが、様々な会計上のルールは私にはわからないのことが多いので、毎月会計士さんに見てもらって、当院の会計を月ごとにまとめて、そして最終的に3月分で年間を仕上げて、という形をとっている。決算の時期は、最初から同じ時期であるので、この会計処理という事実は、開業以来変わらない。

つまり、12年近く、クリニックの会計に私も携わっているけれど、相変わらずわからないことも多い。私にわかるのは、赤字か黒字か、貯金と借金の額と、そして支払う各種法人税と消費税くらいのものであるが・・・。

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さて今季(2018年4月から2019年3月まで)の決算は実は大赤字である。理由はいくつかある。一つには、施設ができて10年も経過すれば、あちこち補修が必要となる。熊本地震後に、建物自体の補修を行ったけれど、建物に付属した機械の補修は補修のまま過ごしていて。しかし、耐用年数を考えれば、ということで、空調機器・厨房機器の交換をおこなったこ、これが一つである。そして、この機器の亢進は、すべてに及んだわけではないので、今後超音波・分娩台・内診台などが予想される。

また開業当初に比べれば、様々な医療安全への提言が行われ、その提言に従い、様々対策をおこなった。そのためにスタッフのトレーニング費用や機器の整備に伴う費用は増加することはあっても、減少することはない、右肩上がりである。でも、これは施設が存続するための必須事項である。

さらにここ数年、様々な備品(薬剤、医療用消耗品)の値上げが行われている。食料品も値上げ、あるいは規格の減量などを目にしている。

つまり支出は増大する一方である。

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それでは、収入はどうかといえば、基本的に収入は保険診療と自費(自由)診療に分けられているけれど、保険診療は、数年に一度の改定で保険診療の元となる基準点数がかわるけれど、これは当院が勝手に変えることができる代物ではない。おまけに、この保険点数には、消費税増加分が含まれている、という解釈がされている。

自費診療は、確か消費税が5%から8%にあがったときに、少し増額をしたような気がする(分娩費用など)。これらは前段の使用する備品薬剤の納入価格の上昇のため増額をせざるを得なかった。しかしその後当院の基本的な自費診療の額は変わっていない。

熊本地震による復興の際に、国と県から少し補助金をいただいたけれど、実際の復興費用を当然その補助額を上回るわけで、補助金で黒字となるはずもない。

そして人件費も大判振る舞いはできないけれど、やはり右肩上がりで上昇を続けるわけである。

つまり収入の元となるものは決まっているので、あとは出産数・外来数の増加でこれまで補ってきた、というのが当院の実情であったような気がする。しかし、出産数や外来数は、現行の医師の勤務体制であれば、現況の維持が私が責任をもって対応できる範囲の限界である。

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つまりこう考えてくると、今後クリニックを健常に維持するためには、少なくとも黒字を維持して、その黒字の中から、今後の新たに予想される高額の機器の更新(電子カルテ、麻酔器、分娩台、内診台、超音波機器)と人件費の増加とそして更なる安全のために生じるであろう費用をねん出しなくてはならない、ということになる。

医師数の増加による体制の強化、クリニック内のさまざな節約のより一層の推進、そして各種費用の値上げという問題を今考えなければならないと感じている。私自身もクリニック自体も体力のあるうちに、こうした今後生じうる課題に向けての対応を考慮しなくてはならないことに、最近気がついた。

私自身はいつもおなじことを、いつも同じ様にしているだけのことであるが、そういう私も60が近づいてきた。まだ走ることもできるし、夜中に起こされても、昼寝をすればいいだけのことであるけれど、まだ余力のあるうちに、次なる手を考えておかないと、改めて思う所存である。

写真は、クリニックの中庭の東の隅にある杏の木である。この時期。白い花がいっぱいさいて、そして6月ごろに実がなったような気がする。