春が来て、夏が来て、秋がきて、冬が来て、そしてまた春が来て、と季節は回る。毎年、春になれば、桜が咲いて、ひばりが鳴いて、と同じ光景が繰り返される。しかし、人は1年たてば、成長する、あるいは老いるし、物は1年くらいでは変わらないけれど、数年あるいは数十年すれば劣化し、修理補修が必要となる。

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最近、熊本市内の産婦人科医のなかでも少し変化があったと聞き及ぶ。一つには、秋に熊本市民病院が新装開店となるわけで、それにともなう各種施設での人事の移動がありそうである。また、市内では、いくつかの施設が、継代あるいは特化されていく。

以前なら、産婦人科の仕事とひとくくりにされていたし、産婦人科で産科も、不妊症も、婦人科も見るのは当たり前であった。しかし、今の世の中に求められる診療水準を保ちながら、そのすべてを単なる診療所で診ることは難しいかもしれない。

その結果として、その施設にあった方向に特化することは、世の流れかもしれない。少子化、産婦人科医自体の減少、訴訟への対応、求められる医療水準の維持、等からすれば、各施設毎に特色のある方向へと変わっていくのでは、と思う。逆にそうした方向が打ち出せなければ、世の流れの中で、埋没していくかもしれない。

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こうしたことを背景に、当院(ウィメンズクリニック グリーンヒル)としてはどのような方向にすすむのか、と。

当院は、産婦人科一般の業務として、子宮がん検診、妊婦健診、避妊の各種相談、更年期の相談、日常悩み(オリモノ・ヘルペスなど)などに対象として、分娩を取り扱う施設として存続する方向でと思っている。不妊症に関しては、基本的にはタイミング法やクロミッドなどの排卵誘発まで、婦人科は子宮頸がんや子宮体がんの細胞診検査まで、超音波検査はスクリーニングンとして、というところであろうか。

と、書いても、実はこれは開業以来これしかしていないので、開業以来の方針でもある。

周辺の施設では、最近院長が変わる、お産をやめるという話を聞きお読んだり、あるいは2代目が着任してより一層お産を充実させるという施設もある、と聞き及ぶ。余計な慣れないことをしても得るものは少ないであろう。それよりも、今の診療を、より一層当院なりに、シンプルで精度の高いものにすること、これが目標かな、と思っている。

写真は裏庭のチューリップ。構想では、ピンク色のチューリップと、芝桜の紫と、そしてビオラの黄色といくはずであったが、どうもチューリップがオレンジぽくて、芝桜はまだ全開には程遠い。でも、少しづつ暖かくなる。