ボルソンという超音波機種にであったとき、最初は単に4Dなんて、と思っていた。機器は高額だし、4Dなんて不要と思っていた。しかし、福岡での勤務時に、その機種に触れる機会があった。4Dプローブ(手に握る探触子の部分)は大きいし、重たい。しかし、4D機種のプローブで見ると、2Dの画像もよく見えるような気がした。

実際は、4D(立体画像)が見えるということは、超音波機器の内部の画像処理の能力があがり、その結果として立体画像が作成されていたわけで、そうした能力の向上の結果、通常の2Dの画像もよく見えるようになった、ということではないかな、と思う。

その立体画像の処理の能力とその表現において、当時のボルソン(GE)は他社を凌駕していたので、この超音波は一世を風靡した。とくに開業医において、お母さんのおなかの中のわかりやすい胎児の画像を見せられられる、ということもあり、高額な機種であるけれど、導入可能な施設で導入された。

わたしはたまたま福岡の施設で勤務している際にこの超音波と触れる機会があった。立体画像を見せるのにも、実は微妙なテクニックが必要であるけれど、それは数回4D超音波を実践すれば取得すことはたやすい。

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福岡での経験があり、熊本に帰ってきて、2007年6月開業した。最初は別のメーカーの超音波を使っていた。しかし、やはりきれいな立体画像が開業医には必要であり、他のクリニックにまけないものでないと、と2007年12月にこのボルソン730プロを購入した。

730シリーズには、確かより高額なエキスパートモデルと、その廉価版のプロモデルがあり、当時のクリニックの経済力ではこのプロモデルで精いっぱいであった。ただ、この730モデルは、GE横河(ジェネラルエレクトリック社)のこのシリーズでは最終型であり、このあとはEシリーズに移行する。当時E8の販売も始まっていたかもしれない。

最終型であったことで、あれこれついてお得です、というようなタイプであった。でも、それでもそれなりのお値段であり、それこそ清水の舞台から飛び降りるつもりでの購入額であった。

さて導入後に、今度はこの超音波を立体画像だけを見せるのはもったいないと、胎児スクリーニング検査を行うこととした。4Dプローブが重たくて、時に落としそうになるけれど、それでもそれなりの画像が提供できたし、その結果としていくつかの胎児の疾患の発見にもつながり、患者様の紹介にもつながった。

あれこれ修理をしながら、6-8年ほど使った。で、ついに最終型の定めであるけれど、ついに部品がなくなった。ということで、新たな機種を購入せざるを得なくなった。GEのEシリーズはE10からE6までがラインナップとしてそろい、なかでもE10の立体画像なんてとんでもなく、素晴らしい。しかしお値段もとんでもなく素晴らしい。

それなりの立体画像が見えれば十分であるし、S8という機種を2016年ごろ導入した。とはいえ、このS8のお値段も、730プロ導入時に価格とほぼ同じくらいである。なのでE10やE8がごろごろ転がっている大きな病院やクリニックがうらやましいけれど、ま、分相応ということで・・・。

以来、730は予備の超音波となった。S8が時に調子が悪い時、あるいは患者様が多い時、などに使っていたが、この2019年9月、ついに立ち上がらなくなった。GEに尋ねてみたが、やはり修理不可と断られた。

さて、となればこの730は診察室2を占める大きながらくたとなってしまった。クリニックの立ち上がりの時を支えてくれた大切な超音波であるけれど、そしてまだブラウン管モニターが付いているという今どき珍しいガラクタである。廃棄するのにはそれなりのお金が必要で・・・。

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さて、こちらは内診室1の内診台である。こちらもやはり一世を風靡したモデルであると思う。森田製作所製で、アトムというメーカーが販売していた。回転しながら上に上がる(スパイラルに上昇する)というモデルで、開業時に2台購入し使っていた。こちらも1台が最近調子が悪くなった。こちらも残念ながらもう修理ができない。買い替えを検討中である。

2007年開業だから現在2019年であり、開業当初のものは13年目となる。ここ数年、建物の補修や、様々な機械の更新が必要であり、毎年何かしている。現在電子カルテとレセコンと予約システムもかわりつつあるし、と。ようやくこれで片が付いたと思ったら、今度はこちらが、というような具合である。

これがクリニックを運営するということかもしれない、と改めて感じるばかりである。