10月1日の混乱に比べれば、少し落ち着きつつあるクリニックである。その混乱の原因は、消費税増税よりも、システム変更によるものである。これほどとは思っていなかが、やはり大変。でも、この大変を乗り越えた先には、これまでとはことなる少し新しい未来が開けるような気もしてきた。

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今回電子カルテを含めたシステム変更を行った最大の理由は、やはり既存のシステムに比べて、新システムが便利そうである、との思いによる。既存のシステムは、20年前に開業前に私なりにあちこち見学して、たまたま見学した先でつ割れていたシステムにほれ込んで、それを採用した。これは2000年ごろの話である。

で、そのシステムを採用して開業に臨み、途中で私がソノクリニックを退職したたものの、そのクリニックではそのシステムがそのまま数年程度は残っていた、と思う。現時点では別なシステムに変更されたと聞き及んでいる。

退職後私は福岡の勤務医で、開業なんて、とおもっていたら、ひょんなことから再度開業を熊本で、ということになった。そこで、2005年から2006年にかけてあちこち見学して、そして2000年当時に採用したシステムの進化版(電子カルテバージョン)で2007年に開業を迎えた。

残念ながら、開業当初のシステムは、電子カルテでありながら、さまざまな制約があり、結果としてワードエクセルで補完し、いくつかの工程は旧態的な工程も残っていた。ウィンドウズ10に乗り換えることは可能であるけれど、システム自体の将来性は制限されていた(今後電子カルテ自体としての発展は期待できない事情があった)

私自身が一代限りで運用するのであれば、それでもよかったけれど、クリニック自体をなんとか将来に残すことを考えるならば、将来性への道を閉ざすことはできない。そしてそうしたシステムに移行するなら、今しかないと判断した。10年もたてば、私の記憶もさらにあやふやとなり、もしかしてたらぼけてるかもしれないし、大病を患っているかもしれない。今なら、まだなんとかなる、と。

ということで再度電子カルテで各社を検討し、その納入実績、運用上の快適性、などを考慮し、この10月からのシステムに変更することにした。見学に行ったいくつかの施設での、快適そうな操作性、様々な使用方法などが魅力的であった。

今回の更新に際して、その運用会社のスタッフからの献身的な作業、誠実な対応により、なんとか10月1日の運用が始まった。振り返ってみれば、2000年当時のシステムから、大きく離れ、そして電子カルテという方向では進化してきたように思う。

私個人の判断なので、その判断が果たして20年後にどうなっていか、わかるすべはない。20年もたてば、私はぼけているかもしれないし、あるいは鬼籍にはいっているかもしれないし、あるいは南の島でワインを飲み呆けているかもしれないが・・・。

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さて、現実に目を向ければ、まだまだ混乱の続く外来業務である。混乱の続く理由の最大のものは、スタッフ自体がまだシステムに未熟であること、である。そしてその次の要因が、カルテ情報の新たな入力ということである。どんなにカルテシステムが優れていても、中身がなければ運用できない。中身を入力するという作業は、手間のかかることであり、そしてそこには日々の診療の積み重ねが必要である。

現在、旧システムのカルテの中身を閲覧できるようにとあれこれ工夫しているけれど、この運用はもう少し先である。でも、そのまえ上記2点の対応が必要であり、その2点がうまくいけば、より有機的な結合によるカルテの運用が可能になると信じている。

ちなみに、今回採用したのは、

株式会社ニューウェイブ URL   http://www.fkartet.com/

株式会社 テクノネットワーク URL: http://tnw-net.com/

株式会社 オフショア OFFSHOREURL: http://www.kobeoffshore.com


となる。

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写真は10月4日、夕暮れ時。クリニックに向かってくる飛行機(熊本空港に着陸する飛行機は大体クリニックの上を通る)、そして空に浮かぶ半月。