当院は基本的に保険診療と自費診療を行う施設である。

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この場合、保険診療とは病気の治療を行うということであり、病気であれば保険で治療するということである。当然その場合保険の急を受けるわけであるから、1-3割の自己負担となる。

労災(労働災害)、交通事故もあるけれど、現在当院では労災の施設として登録をおこなっていないので、原則は労災は専門の施設を受診するように勧めている。交通事故も専門ではないし(X線その他の撮影が当院では不可である)基本的には見ないのであるが、どうしても当院を通院している妊婦様の場合は当院で見ざるを得ない場合があり、可能な範囲で診察をさせていただく。

交通事故や喧嘩による疾病に関しては、加害者負担ときいているので、加害者側の保険(この場合損害賠償や車両保険など)となる。で、自損事故の場合、確か3割は自己負担で、残りは保険(この場合も損害賠償あるいは車両保険)と聞いたような・・・・。

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さて、当院の主たる業務である妊婦健診と出産は、原則としてこれも自費である。以前(私が医者になったころ)は妊婦健診の補助券は2枚で、精査用1枚の計3枚であったが、それが5枚に拡充され、されに現在は14枚となり、今後産後も2枚付くと聞いている(熊本市は予算が厳しく、産後の2枚はまだついていないが、よその自治体はすでに給付されている)。

そのような経験をされている妊婦様はいらっしゃらないであろうから(つまり30年にわたり出産するような妊婦様)、今現在通院されいる方々は、妊婦健診14枚無料が当たり前の世界で出産されている方々が主流であろうと思う。

ということは妊婦健診は無料が当たり前、と。

確か、これが無料になった経緯は、国の少子化対策の一環と聞いているが、果たしてその効果があったのどうか、微妙である。

ちなみに出産給付金も少子化対策の一環として、増額され、産科医療保障制度の拡充とともに一時期43万となったが、産科医療保障制度が3万から1万2千円に減額されたの、その分41万2千円となったいる。(と思う)

あとは分娩費用の地域格差の問題で、一般的に九州地方の分娩費用と、関東関西の分娩費用には10-30万程度の格差があるといわれている。九州でも福岡の分娩費用が一番高く、熊本宮崎鹿児島が低いという北高南低である。

当然熊本市内でも分娩費用は異なるわけで・・・・。本来自費診療なので、分娩費用の設定は各施設の事情により決定されるべきものである。で、これが統一化価格帯がいいかとなると、確かそこに談合とか、独占禁止法の絡みがあり、統一した金額はできないと聞いたような気もする。

ただ、一般的に言えば、熊本でのお産であれば出産に伴う給付金でトントンかその前後であるけれど、東京その他の地域でお産をすれば、給付金だけでは不十分であり、十分に手出しが必要となる。本来なら、その不足分を補うのが皆様が各自で加入されている生命保険であろうと思うけれど・・・。

妊婦健診・分娩に関してもこのようなお金の問題があちこちに存在する。基本的に当院は医療法人運営であるけれど、すくなくとも赤字では診療が継続できないし、施設を維持するためには人と物の補充が必要であり、そして様々施設更新のために機器の補修・更新が必要であり、となれば、黒字の診療体制を維持しない限り、施設も人も存続できない。

いましばらく、こうしたことを私なりに解釈しながら、述べていきたい。

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写真は12月11日の夕方。帝王切開が終わり、午後5時過ぎに4階の部屋で東の空をながめていると、雲の上に明るい光がさして、お月様がでてきた。

で、どこからか音して、飛行機だ。と。夕暮れ時、熊本空港に向かう飛行機で、車輪がみえている。
二枚目はくろいけれど、右下にかすかに飛行機が残っている。
三枚目はよくみたら、満月かな、と。