当院の新生児室は、ナースステーションに隣接し、空調も別となっている。温度は24度以上に保たれ、ここが一種の保育器のようなものである。でそこに通常の新生児は、上衣と肌着の計2枚で寝ていることになる。肌着と上衣におおわれているが、頭部と手足の先端の部分は露出されているので、その部分は外気の影響を受けやすい。

基本はその露出した部分が人肌の温度に保たれ、汗もかかない状態が望ましいし、それが中性温度(新生児のカロリー消費の少ない状態)であろうと、思っている。

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新生児室には、現在3台の保育器がある。2台が開業当初からのもので、現在これは杯盤となっている。そしてその後継機種が、上記の1台である。酸素飽和度の大きなモニターもつき、光線療法のユニットもついている優れものである。

しかし、実は旧式機種にくらべると一回り大きい。新生児室のスペースは限られているので、これ以上増やすことは不可能である。

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こちらが旧式機種。光線療法中で、保育器の上に吸盤のようなもので固定している。でも、考えてみれば、これは開業当初からのものなので、10年を超えているということになる。ということはそろそろ何かがあっても不思議はない。

さて、話がそれた。実箱の保育器の中に新生児が存在するとき、上の写真を見ていただければわかるが、基本的には新生児は素っ裸の状態である。光線療法中には、アイマスクをしているけれど、あとそれとおむつだけである。で、この状態で、寝たり泣いたり、ミルクを飲んだり、と。

世の中には素っ裸で寝る人もいるかもしれない。でも素っ裸で寝ても、たぶん薄手の掛物か何かするのではないかと思うが、その方が伸び伸びと寝ることができるのかな、と。

新生児は、母体内では羊水の中で当然何かを着ることもなく、素っ裸で成長している。その名残で、外界に出てきても、体温その他の環境が保たれれば、素っ裸でもOkなのか。生まれた後、産着を着せて、上着を着せても、睡眠が優先なので、嫌がることもなく、ひたすら眠っているような・・・。上着を嫌がるようなそぶりはないが・・・。

そうした行為の積み重ねで、睡眠の習慣ができ、そしていつのまにやらパジャマを着て寝る、ということなったのだと思う。ただ、母体の胎内にいるような類似環境を作ると、大人で不思議と休むことができると聞いたような気もする。

自分自身の安眠のためになにが必要で、何が不要か、と時に考える。私の場合は、電話で起こされることも度々なので、そちらの方の影響が大きいかもしれない。でも、だからこそ、眠るときには、いい形で眠りにつきたいものである。