昔、私が医学部を卒業して、大学病院の病棟に上がったころ、婦人科の手術の患者様は、手術の前日にシャワーを浴びて手術部位(下腹部あるいは外陰部)の皮膚の毛を剃刀で剃っていたいたような気がする。参加の患者様も帝王切開の場合も、そしてお産の場合にも、皮膚がつるつるだったから、矢張り剃っていたような気がする。

毛を剃ることを剃毛(ていもう)というが、これは術前には当たり前のことであった。しかし、剃刀で剃ると皮膚を傷めること、医療者自身にも感染のリスクが生じること、などよりバリカンが提唱されるようになり、今ではバリカンであると思う。

ちなみに時間に余裕のある時は脱毛クリームが一番である。が、そこまでの余裕はないので、バリカンかな、と。意外と光脱毛もいいかもしれない。しかし、そこにはまた別な問題も生じるが・・・。

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ところでなぜ剃毛をするのか、と。手術する場所に、毛が生えていると不潔と昔は言われたような気がする。でも今の主流は、毛は生えていても、シャワーや入浴で皮膚の状態が良好であれば特に不潔といわれることはない。

問題は、縫合時である。皮膚を切って、手術操作を終えて、皮膚を縫って終わり、というときに、ここにおけ毛があると、縫合する糸に絡んで結びにくくなるのである。あるいは糸に絡みこんできて、引っ張られて痛いということになる。

実は、人間たるもの毛の多さあるいは濃ゆさは人によって異なるのは当たり前である。しかし不思議なことに、陰部周囲の毛がもともと薄い人もいれば、陰部から肛門にかけて、毛がびっしりという人も少なくない。(たぶん私も後者で毛がある)。なので、この肛門周囲に毛が多くて、そして分娩時の傷がそこらへんに伸びていると、ちょっと傷を縫うのが面倒で、仕方がないので、縫合する領域だけはさみで毛を切ることもある。(ただあまりすると、はさみの切れが悪くなる)

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時たま、外来で診察時に、外陰部の皮膚の毛が少ないけれど、多数の毛穴が赤くなっている人にお目にかかる。たぶん、外陰部の毛を何らかの理由で少なくしたのであろう。個人的には毛を剃ってもいいことはないようにおもうので(毛があることで、外陰部の皮膚を守っていると思っている)あまりお勧めしないが、様々な理由が個人にはあることであろうから、わたしの意見を強要することはない。

で、どうしてもするのなら、光脱毛がいいような気がする。2番目はバリカンであろうか。剃刀で剃ると、つるつるにはなるけれど、皮膚に傷をつけることが多い。また毛穴の炎症を得越すこともある。バリカンにしても、剃刀にしても、いったん剃り始めたらやめられないわけで、剃れば剃るほど、毛は濃ゆく硬くなっていく。

脱毛クリームできれいにとれば、と思うかもしれない。しかし時に、その脱毛クリームに過敏に反応する人がいるわけで、そうなると御下が赤くはれてしまって、日常生活に支障をきたす場合がある。

とすれ光脱毛がいいかもしれない。しかしお金はかかるし、おまけに陰部を人様に見せなければいけないわけで・・・・。そしてこれも時には過敏に反応して皮膚が赤くなる人がいる(というか、過去に陰部が赤くはれて当院にお越しになった人がいた。私では対応できないので皮膚科受診をすすめた)

ということで、剃るなら必要最小限で、バリカンで。染まずに済むならなそのままで、というのが今の私の流れである。

写真は裏の田んぼのジャガイモ。4月に植えて、田植えの前に収穫し、新じゃがとなる。田んぼに植えたジャガイモは少し水っぽいのであるが、日本人たるもの初物には弱い。(なのでスーパーに行って初物を見るとうれしくて、つい先日も枝豆を見つけてしまった