お産を取り扱う施設であれば、当然お産があることは当たり前である。なので、お産が時に帝王切開となっても、それは仕方のないことである。といういか、帝王切開をしないといけない理由があるから、当たり前といえば当たり前ののことである。

施設によっては、緊急帝王切開は、高次施設に搬送ということ個あるかもしれない。当院でも、状況に応じて搬送することもあるけれど、基本的には当院で帝王切開を行うことの方が多い。そこで、当院での帝王切開について、少しシリーズで述べていくこととする。

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まず歴史的な変遷から。開業当初(2007年、当時私は46歳)、月曜から土曜まで診療し、水曜のみ午後休診であった。平日(月曜、火曜、木曜、金曜)は午前の診療は9:00-13:00、午後の診療は16:00-20:00として、土曜日のみ9:00-13:00、15:00-18:00であった。でこの長い昼休みに、帝王切開や小手術をするという構想でスタートした。

お産の数も少なく、外来数も少ないうちは、それでもよかった。しかし、次第にお産も増え、私も50という年齢が近づくと、ちょっときついし、非効率的であることにも気が付いた。そこで、定時の帝王切開は水曜と土曜日にすることにして、水曜日は休診、午後の診療も午後2時から午後7時までに変更とした。

このスタイルで数年続けていた。当然緊急帝王切開は、この定時の枠以外で執行することが多く、でもそれでも何とかなっていた。なので、過去に最高3回同じ日にしたこともある。夜中の1時に1例目、その日の午後にダブルヘッダーで2例、うち1例は定時手術で、2例は緊急手術である。

最初の頃は、麻酔科を私がかねて、そして助手を誰かにお願いして、という形が多かった。しかし、私自身の体力的な問題もあり、現在では私以外の麻酔科の医師1名と、私と他の産婦人科医師1名の都合3名の医師体制で手術をすることにしている。緊急の場合、どうしても間に合わない場合には、2名で行うこともあるけれど、基本は3名医師体制で行う。それが医療安全の基本であり、そして私自身の体力の消耗という観点からもありがたい。

最近は、助っ人医師のおかげで、外来をどなたかにお願いして、帝王切開は帝王切開でということも可能になり、手術後の外来の問題で頭を悩ませる機会も少し減った。(とはいえ、時に緊急帝王切開で外来の突然の閉鎖もいまだあり得ることであるけれど・・・)

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現在の診療体制も、医療安全の観点と、そして私自身の体力的な問題から構築されている。ま、60目前であるから(今年の秋に60となる)当たり前といえば当たり前である。60前の体と頭を十分に使うためには、十分なストレス発散と、夜間の安眠、昼間の診療の負担の軽減が必要であると私自身は思っている。

なので、時にドライブをしたり、調理をすること、友人と昔話に興じること、などはストレス発散につながる。夜間の安眠は、夜間にお産がなければ、安眠できるが、こればっかりは神様しかわからない。でも、夜勤のスタッフが増え、助産師の数が増えたことで、夜間に私が診察で起こされる回数は減った。昼間の診療の負担も、女医2名のおかげで十分に楽になった。

ただ、木曜日は私一人で診察なのでちょっときつい。この場合、十分な昼休みが必要で、昼休みで昼寝ができないとちょっと困る。

ということで7月16日はちょっときつかった。朝7時30分から緊急帝王切開があって、昼休みにお産が2例あって、夕方の診療が終わるとヘロヘロ状態であった。しかし、そうした私があと安心して休めることも、スタッフのおかげでもある。(これは助産師だけに限らず、すべての当院スタッフの充足と経験値の上昇により、私の負担は軽減されていると思う)

開業から数年の間はある意味、すべてを一人でやっていたようなもので、ま、確かに最初はそれでもいいけれど、矢張り一人ではやっていけない。これは今後も同じことであり、帝王切開に限らず、当院の今後を見据えた体制の構築展開が必要である。そこで、帝王切開を検討する形で、当院の今後も含めてしばらく検討してみよう。ということで、次回に続く

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さて、今日の写真は開業当初2007年7月の写真から。開業当初は、このような形でクリニックは存在し、まだ芝にも雑草が少なかった。

隣の畑は飼料用のサトウキ畑であった。

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