2015年11月

インターネットが普及して、便利になった。何が便利になったかというと、お取り寄せが便利になった。以前なら、雑誌・新聞・テレビや口コミであれこれ探して、という世界から一変した。グーグルでもヤフーでも検索すれば、様々な情報が得られ、そしてお取り寄せも簡単となった。

私の場合、どこかに旅行することもないし、また渋滞必須の場所に近づくこともあまりない。そこでネットを経由してのお取り寄せが多くなる。ただ、お取り寄せは、実際に自分の目で確認するのが、手元に届いてから、ということになるので、実際に届くと期待外れであることもあるわけで、それはそれで仕方がない。

実際に期待外れであったとしても、つかってみればいいこともあるかもしれない、と考えているので、使ってやはりそれでも駄目だったときは仕方がない、と。

ある意味では、何でもお試しなのかもしれない。それでよかったら、また次に。悪かったら、そこまで、と。仮に期待外れで、使ってもダメであったとしても、それでクレームを付けても仕方がない。それを選んだ自分の目がわるかったと、次に目を向けることにしている。


でも私自身の生き方もこのようなものかもしれない。何でもやってみて、よかったら続ければいいし、ダメだったら引き返せばいい、と。ただこの年(55)にもなれば、やはり一からやり直しはきつい。そうなると、新しいことに挑戦するより、これまでの安定していた何かのほうが楽である。

でも、その安定していた何かが、未来永劫安定しているとも限らない。もしダメになったら、と考えないでもないが、ダメになった時に考えよう。当面は新しいことをするとしても、1回まずはやってみて、それでうまくいくことを願おうと思っている。

当たり前のことであるが、始めない限り、始まらない。幸い、私はここから離れることはないので、この地で落ち着いてできることをしよう、と。

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これが数日前の苗。これは移し替えたばかり。

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これは昨日。ようやく元気になっ田と思うが・・・。ここ数日寒くなった。果しこのまま外に出しておいていいのかどうか、苗の名前がわからないので、お手入れ方法がわからない。種から芽を出した、花壇にまいた、いろいろな花が咲く、これが残されたヒントである。

私の本業は、医業;産婦人科である。当院にお越しになった方の、産婦人科に関する様々な悩みに対応することである。その悩みの内容を伺うことから診療は始まる。楽しいことばかり伺えれば、それに越したことはないが、時には心の奥底に秘めているような事項、あるいは本人がそう意識していないけれども、実は悩みと関係のありそうな事実を探し求めることも大切なことである。

考えてみれば、産婦人科に来るということ自体が、女性特有の悩みがあるということでその解決のためにという決意のもとにおこしになっているわけであるから、私としてもその悩みの解決に真摯に向かい合わなくてはならない。

そうしたときにちょっと困るのが、おひとりで来院ではなくて、付き添いがいる場合である。個人的に尋ねたいことは、その個人の秘密的な要素である。そうしたときに、付き添いの方に席を外してくださいとは言いづらい。それで気分をお互いが害されても困るし、でもここのプライバシーに関するものであるからな・・・と。

親あるいはご主人・パートナーがついていて、込み入った質問ができなくて、その結果十分な情報が得られないと、後々に診断が変わることもあり得ない話ではない。

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当院の現在の診療スタイルが、付き添いたい方はいつでもどうぞ、というスタイルであるので、それはそれで仕方がないし、自然なことなので、私としても自然な形で質問し、その結果を説明しているが、私自身もこの個々のプライバシーを相手の同意もないまましていいものかどうか、実は悩んでいるのである。同席しているということは、同席している相手にすべてを伝えるということである、と解釈しているが・・・。

また親が子供を連れてくる場合、これもまたちょっと困ることがある。親が必要と判断して連れ来た場合など、親からの質疑応答となりがちである。しかし対象はそのお子様であるので、基本はその方にお訊ねしたい。でも親としては連れてきたという意思があるので、発言したい、と。そうなると、肝心のお子様がさらに委縮して発言できず、本音が聞きだせない、という事態になることもある。

しかし、対象となる方がよくわかっていなくて、その同席の方からの情報で診断に至る場合もあるわけで、一概に同席者の発言がダメである、とは言えない。なかなか難しいのである。

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玄関わきのヤマボウシ3本。この時期(11月27日)で、最近寒くなってきた。しかし、まだこのように青い葉っぱがついている。8月の台風で、葉っぱが落とされ、9月に新芽が出て、葉っぱがこうやって生えてきた。通常なら、すでに落葉して、枝だけとなっているはずであるが、3本の木の左側はまだ陽が当たるせいか、葉っぱが残っている。あとわずかの期間であろうけれども、新緑を目にすることができる。

当院に妊娠した、ということでお越しになられた方を、妊娠と診断すると、もれなく予定日が表示されることとなる。この予定日は、その後の胎児の大きさによって補正されることもある。で、問題はこの予定日という表現であろう、と思っている。

予定日といわれれば、その日が生まれるはずの日と誤解してしまう。私の理解では、この予定日は過去の経験により大体この日をめどとして陣痛が来て生まれる場合が多い、その起点となる日である、と思っている。これは人種に関係なくということである(実際に当院にお越しになる外国籍の方にもこの予定日でお話をしている)。

人種という問題より、ヒトの個体差という問題があるので、予定日はその人によって様々であろう。36週くらいの人もいれば、42週くらいの人がいてもいいのでは、と思っている。(この問題の根底には、どうやって陣痛が生じるのかという問題もあるが)

予定日は、その対象女性の最終月経より換算し、妊娠初期の胎児の大きさ(通常CRL)により補正をすることとなっている。産婦人科診療ガイドラインでは、CRによる補正は1週間以上の誤差があるときに、補正すると記載されているし、また実際CRLによる妊娠週数補正においては±1週間という表示がされるので、やはり1週間単位で考えるべきであろう、と思っている。

このように女性の最終月経の開始日と胎児の大きさによって決まる予定日であるから、生理の日認識のずれ、あるいはCRLの微妙な差によって、予定日は微妙に変わるものである。妊娠初期にはそうした誤差はたいしたことはないのであるが、問題は予定日を過ぎてからということになる。

予定日といわれていて、その日までに産まないといけないような気がして、予定日を超えると当然不安になる方もいらっしゃる。予定日を超えたらそれではどうするか、と。陣痛促進剤を使って分娩を、というと促進剤を使うということへの不安やためらいのある方もいらっしゃる。それでは、待ちますか、と。

現在陣痛促進剤を使うことには、様々な医療的な制限があり、当院では原則はその医学的適応を満たす場合(つまり医学的に必要である場合に)使用することとしている。予定日を過ぎて41週になった、破水した、遠方である、…など。入院の上で、機械を装着して、薬剤による陣痛促進となる。

しかし、薬剤を使えばすべて生まれるというわけではない。子宮の頸管の拡張という手技を最近はあまり行わないこともあるが、でも外子宮口が3cmくらい開いていても、薬剤を使用しても生まれない場合がある。となると、待つか、希望があれば帝王切開ということになる。

このように、予定日を超えるとなかなか悩ましいのでる。そして、実は予定日を超えた妊婦さんが多数存在すると、私自身も落ち着かない。宿題がいっぱい残っているようで、早く片付けたい、と。しかしこればっかりは急いでも仕方のないことであり、医学的適応のない限り、そして患者様の希望がない限り、私としては待つしかない。ということで、私のくぎ付けの理由となる。

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クリニックでよく見かけるジョウビタキ。同もここを自分のテリトリーと定めたようである。

昨日は、クリニック内に入院されている方々もすべて結論が出て、私としては当面の宿題解消であった。(まだ外来には数名宿題状態の方がいらっしゃるが)

外来にお越しになる患者様は、いろいろな理由でお越しになる。最近テレビで見た、とか、市から無料クーポン券がとどいた、とか、最近生理がないから妊娠したかも、と。ほかにもいろいろな理由で産婦人科を受診される。また、既に当院で数回の妊婦健診を行っている方々の中にも、出血が心配、お腹が痛いので心配と、様々な理由で、お越しいただく。

当院は産婦人科で、対象となる疾患が産婦人科領域であれば、そして当院で対応可能なものであれば対応させていただくし、当院では対応不可であれば、高次医療施設や専門医を紹介ということになる。ほかに産婦人科医がいない、ほかに医者もいない、という状況であれば無理してでも診ざるを得ないであろうが、平日の昼間であれば、まずそうした無理をする必要はない。

ただ、人の心理とは負のループというか、そうした方向に入りこんでしまうと、もう大変である。それが重なって、夜に当院にお越しになるころには、お越しになった方の思いはそれはそれは高ぶっていることであろうから、(というか、朝まで待てないくらい不安であるから夜お越しになるのであろうから)、そうしてお越しになった方の不安を和らげてあげることが、最初に必要なことである。

本来なら、不安を和らげることは、まず相手の訴えに十分に耳を傾けるだけでもいいのかもしれない。相手の言いたいことを十分に表現してもらえれば、それだけでも楽になる方もいらっしゃる。ま、そうでない人もいらっしゃるが・・・。こちらの都合で、そうした方々に十分な時間を差し上げることができないのは申し訳ないのであるが、一人の人に十分に時間を割いて診療するような心療内科のようなスタイルではないので、できる限りで対応するしかないのが、当院の実情である。

十分に訴えを聞いて、それから適切な診療をして、それで答えが出れば、たぶんOKであろう。とはいえ、中にはすぐには検査結果が出ないものあるので、その結果をある程度予想して、臨床的な判断でその場を収めることもある。あまり心配されなくてもいいでしょう、と。

しかし、やはり中には、これは異常であると私が考えて、どちらかを紹介せざるを得ない場合もある。こうした場合をどのように説明するか、なかなか難しい。相手の不安を書き立てるわけにもいかないが、相手の顔色をうかがいながら、誠実に対応するように心がけている。

問題は、私にもよくわからない場合である。患者様の訴えに対して、私なりの解釈がうまくできなければ、他所を紹介せざるを得ないが、私自身がよく理解していないので、うまく説明できるはずもない。そうした場合には素直に、私人もよくわからないから専門医に伺いましょう、ということになる。

医療とはある意味確率の世界であるから、様々な病態は、その確率に応じて出現するといっても過言ではないかもしれない。しかし、人間は自分でいろいろと考えてしまうので、特殊な確率の低い病態をネットで見つけて、たまたま一致する症状があるから、これだと決めつけられてこれが心配である、ということでお越しになった場合が、極めて対応に苦慮することとなる。私なりの技量で診察しても答えが得られるはずもなく、専門医を紹介しても、答えは得られないかもしれない。

診療とはやはり難しい。そしてその過程において、最初の掛け違えが生じると、後々まで尾を引くことになる。と常に思うばかりである。

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ピンク(あるいは紫と)と緑の組み合わせも意外と好きである、ことに気が付いた。ピンクのシクラメン、ピンクのバラ、そして昔々の私のダイビングスーツ。あのダイビングスーツを着る機会もなくなった。たぶん体系の変化と経年変化でもう着ることもできないであろうが・・・。


熊本市保健所の医療政策課から思わせぶりな手紙が届いた。あて先は、各医療機関 開設者様となっている。要は、先日の熊本市内での無許可での診療所開設に伴う一連の出来事の結果として、”医療機関の開設者の確認及び非営利性の確認について”という平成5年の厚生省(厚労省ではなくて、厚生省である)の通達に基づき、開設時の審査をより厳格に行い、さらに既存の施設についても定期的に立ち入り検査をする、というものである。

この厚生省の通達は、昭和62年にさかのぼり、そして平成5年に通達され、さらに平成24年にも改正版が
通達として出されている。ということは、その前後で、今回のような事例が生じたのであろう。要は、医療機関は、非営利的なものでなければならないし、その非営利性を疑われた場合には立ち入り検査が必要である、と。

ということは、今後立ち入り検査があるのであろうか?と。別に当院(ウィメンズクリニック グリーンヒル)はまっとうな産婦人科診療施設であるので、なにも後ろめたいことはないし、検査されても痛くもかゆくもないが、立ち入り検査となると、そのお相手をしないといけないことと、書類の用意が面倒である。でも、対象となる施設は熊本市内だけとしてもそこそこの数があるであろうか、抽出して行うとしても、今年になるか、数年先になるか、わからない。ま、連絡が来たら、用意をしよう。

そういえば、先日は熊本県の医療政策課からは別なお達しがあって、呼び集められた。これは、熊本市の病院と有床診療所220の施設に対して、現在のベッド数の活用と、今後の見通しを尋ねるもので、こちらは今後県の担当者と直接面談がある。これは熊本県のベッド数が3割程多すぎるので、今後削減を国から指導された、という話がもとにあるような気がする。

これは直接面談をしなければならないので、面倒なことこの上ない。この面談で担当者に回答できるのは、現時点では私だけのようなので、私が出席しなければならない。12月の忙しい時期に、熊本市医師会館に夜出席と。

この2点は診療所の健全な継続のために必要な政策であろうから、避けて通ることはないし、正面から協力する所存である。しかし、実際に担当するのが私であるから、その煩雑さを憂慮する。当日何もなければいいけれど、と。


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さて、連休中、最後の力を絞り、中庭の手入れをした。大したことないように見えるが、地道な作業を行った。ただ。この場所は、樹木の根が張っているので、抜本的な作業は難しい。これを機に、眠っていたシクラメンの整理をした。ビオラも植えてみた。水仙も伸びてきた。ポーチュラカは、まだ枯れていない。後はこの地で願わくばチューリップの復活であるが、これはもう少し時間が立たねばわからない。

これで中庭、裏庭は一応終了。ついでに表庭も少し雑草を取った。ということで、次はいよいよ家庭菜園の手入れである。

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