2017年05月

当クリニックのデザインは、開業当初から松山建築設計室である。そしてその施工は、小竹組である。増築の際も祖の組み合わせであり、ささやかな補修や改装においても、そして今回の熊本地震後の補修も同様である。

施設によっては、初回の建築は別なところで、増築時には別な組み合わせということもあるかもしれない。それは施工側の考え方の問題であると思う。たしかに、費用削減のためにその都度見積もりの照らし合わせをして、その都度、業者を選定するほうがいいかもしれない。

しかし、公共建築のように保存期間が長く、そして担当者の変わることが予想され、作成資料も厳密に保存されている場合ならともかく、個人の建物であれば、と私は思う。なぜなら、どんな建物においても、使用開始後に様々な不具合が発生することはよくあることで、最初から完璧はないことであろう。

またメンテナンスを怠れば、どんな建物であっても、数年でみすぼらしい外観となり、実際の使用においても問題が生じるであろう。そう考えると、建物は、作った時の費用と同額が、以後のメンテナンスに必要であると最近確信している。

そして建物のメンテナンスということで考えると、建築設計にまつわる様々な問題が根底にあったこと知っていないと、後々大変たなこととなる。なぜ途中で仕様が変更されたのか、その理由は何か、と。そのようなさまざまな経緯は、初回建築設計時の大切な経緯であり、それを覚えているのは、私と、建築設計の担当者のみである。こうした情報をけつらくしたまま、新たな補修や改修を行うと、結果として後々取り返しのつかないことになりかねない。

つまりいくら見積もり合わせで経費削減したとしても、その分を上回る出費や取り返しのつかないことになりかねない。その取り返しつかないことを、膨大な時間をかけておこなうくらいなら、私の一生ではとても不可能である。

ということで、私の目の届く期間ということで考えれば、結果として単独の設計事務所と建設会社と契約を結ぶ方がはるかに楽であり、合理的である。ただし、その前提は、お互いが誠実であり、信頼関係があるということが前提である。

現時点ではそのお互いの信頼関係と誠実さは、結果として出来上がったものが証明しているので、今の関係を壊すつもりはないし、今後お願いすることであろう。

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さてそれでは、松山建築設計とのなれそめは、となると、少し古い話となる。以前私はとあるクリニックの院長を務めることになり、その建築設計のためにあちこち移動した。そのクリニックにおいてはすでに設計士は決まっていた。その設計師の方に、私なりに希望する産婦人科を理解していただくために、九州に限らずあちこちの産婦人科を見学に行った。

そうした中に、当時福岡市から少し北に行ったろことに、すごい産婦人科あるという評判をとある方から伺って、見学に行った。実際に行ってみると、まだ完成目前の状態であったから、そのクリニックの評判は建設中から立っていたことになる。

厚かましくも、完成目前のクリニックの見学の許可を前もっていただき、内部を見せていただいた。心底びっくりした。これが産婦人科、と。残念ながら当時の写真は手元にはない。白い建物で、美術館のようだ、と思ってことを覚えている。

そして月日が流れ、私が院長を務めたクリニックの院長職を離れ、福岡で働くことになった。当時反映していた、産婦人科で、結果として4件の産婦人科クリニックを経営していた(しかし実質はあと1件ある)。そしてその不思議なご縁は、このクリニックの3件目(実質4件目)の建物が松山建築設計室であった。

あのきれいな産婦人科と、こ3件目の建物に関係があることはこの時点ではまだ知らなかった。

続きは次回に、

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最近赤いバラに凝っている。目的は白と赤の交わるフェンスであり、その赤ができれば深紅であったほしい、という単純な動機である。

十分にまだ使える、個人使用と考えれば、何も交換する必要はない。しかし、当院の看板と思われる場所であれば、ということがある。

昨年から今年にかけて行た熊本地震の補修の結果、補修の出来が良すぎて、その結果補修しない場所が帰ってみすぼらしくなるという結果が生じてしまった。バランの問題、そしてクリニックの印象を保つためには、ということで、補修の完成に合わせて、いくつかの工事が追加された。

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これは待合室のブラインド。開院当初、このブラインドはなかった。しかし、実際に開院して、朝日の差し込む時間待合室がまぶしいこともあり、ブラインドを松山設計事務所に依頼し、この待合室に合わせて、このようなブラインドが用意された。

このブラインドは、ブラインドであるから、ひもの引っ張り方によって、光を遮ることも、このように通すことも可能である。各羽根の部分を糸で連結し、お互いが連結しているのである。

ここが大人だけが使う施設であれば、何も問題はないのである。しかし、である。妊婦健診の都合上お子様連れも多いし、お子様にとってもこのブラインドは時に気になるようで、あちこち引っ張ったり、触ったりと。お子様だけが原因ではないかもしれないが、め、結果として、羽根が汚れたり、接合部分が折れたりと、少しづつ補修していた。

今回その補修を大々的に行おうと思ったら、交換する費用が相当な額に達することが判明した。それなら、開院して10年ということもあり、経年変化を考慮し、丸ごと交換した。すっきりした。見栄ばかり張りすぎても仕方がないが、時にはやはり見栄も張らないと。。。、

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6月目前の5月末。今から1週間ほど様々な理由で忙しい。昨日は好天であったので、芝刈りを専門の人にお願いして、私はその作業に没頭した。でも、まだ終わらない。

熊本地震で被災した企業に、グループ補助金による支援がある、ということで、当院もその補助金に申し込んだ。補助金には様々な制約があるので、本来なら申し込みたくないけれど、今回の熊本地震による影響は金額的に大きいので、素直に申し込んだ。

そしてこのグループ補助金は、本当に手続きが煩雑で、再三熊本県の事務局のやり取りが必要である。そしてこれまで再三さやり取りをしたので、提出分はもう出さなくていいであろう、と思っていたら、提出した分もまた出してほしいと。

肝心の工事自体は、既に終了している。現場事務所の解体も目前である。となればそろそろ支払いという話になる。しかしそこにグループ補助金が絡むと話がややこしくなり。施工業者からの完成届のあとに、施工管理側からの検査を行い、それから請求書をもらって、支払う。支払って15日以内に事務局に書類提出というものである。もう時間がない。でも用意する資料は、一からやり直すなら、極めて多い。

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クリニック駐車場横の田んぼ。まだジャガイモが植えられているが、そろそろ掘り起こされて、田んぼに変わる。そのジャガイモの左に見えるのが、現場事務所。そろそろ撤去される。

次に、熊本市保健所の監査が6月に施行されることになった。開院以来10年が経過し、ついに保健所の監査となった。そのt目に先に資料を作れ、といわれて、提出資料を用意しなくてはならない。これがややこしい。

そして、5月末であれば、月末から月初めの関連行事(レセプト提出)という業務もある。そして例年であれば。たぶん九州厚生局と熊本市からの医療報告の用紙も届くことであろう。

さらに言うなら、当院を経営する医療法人の会計年度は3月末であり、その会計報告をするのが5月末。そして各種税金を支払うのも5月末。そしてこの会計報告を各所に届けて、またいくつかの変更、とお役所仕事と納税に終われる日々である。

ま、どうせ、どこにも行けないけれど、でもね・・・と、思わないでもないが、こればっかりは仕方がない。下請けを依頼することはできても、肝心のことが他の人にはわからないので、私にしかできない仕事、ということになる。さて、これをそろそろ終わらせて事務仕事を開始しよう。その前に本業(分娩)があるかもしれないが・・・

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苗床が用意されている。遠くには麦が黄金色に変化している。

5月27日、今日は帝王切開も中止になったし、黒田先生もいるし、それなら・・・と水曜日のていおうせっかいのおわったあとからいろいろと考えていた。しかし、昨日のブログを書いた頃から少し雲行きが怪しくなり、昨日の外来の終了後には、陣痛発来で入院が数名あり、土曜日の朝までには生まれそうにない雰囲気。そして金曜日の夜には、帝王切開を土曜日にすることに決まった。

ということで、土曜日のお楽しみは吹っ飛んだ。ま、いつものこと、といえばそうであるが・・・・・。

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ある意味では私の生活はギャンブラーのようなものである。私の行き先は、降った賽の目に聞いてくれ、というわけではないが、こればっかりは仕方がない。いつどうなるか、誰にも予想できない。生まれるかもしれないし、うまれないかもしれない。途中で胎児の状態が悪くなるかもしれないし・・。そしてやっと終わったと思ったら、外来に出血や悪阻でお越しになる方が現れ、破水したとお越しになる方も。

つまり自分の行き先はまるで予測不可能で、となれば、その瞬間に何かできることがあるとすれば、その時にするしかない、ということにある。そこに人様をまきこむと、面倒が増えるので、できるだけ個人的に何かをするほうがお気楽である。とはいえ、少ないけれども私にも人間関係もあるしな、と。

そうなると、結局私にお付き合いする人は、私の予定変更を納得せざるを得ない場合が多々あり、いつのまにやらお付き合いする人も慣れていく。仕事柄、ということで申し訳ないな、と。

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しかしこうした話は、あくまでも私の側からの話であって、実際に当院にお越しになる方々には、またその方々の事情がある。そして、何よりもこれが産科医療の特性であろうとも私自身が理解している。妊娠した、ということで当院にお越しになり、最初に私の診療がすむと、基本的には何かあったらいつでもお越しください、と私は患者様に説明している。

医療とは、基本的に医療を求める人(患者)と施す側(医師)との間の契約であるので、私が急な患者様に対応することは、急な対応を求める人への契約の実行であり、これをしないということでは契約不履行である。これを守るからからこそ、医師である、と私は思っている。

ということで、医師である続けるということは、刹那的にならざるを得ない、ということかもしれない。

写真はヒペリカムという花。この時期クリニックの片隅で咲き始める黄色の花である。

今週末に帝王切開を予定していた。しかし、どうも陣痛が予定までに来てしまったようなので、ちょっと早めに帝王切開を行った。その結果として、土曜日の帝王切開の予定の枠が空いた。さて、それでどうするか、と。土曜日は黒田先生に任せれば、もしかするとフリーの日が作れるかもしれない。となると・・・。


あれもしたい、これもしたいということがいくつかあって、ちょっと考えてみる。しかし、得てして、そういうときには、その枠にまた別な帝王切開が入ることもあって、正直言ってどうなるか、と思わないでもない。(5月は当院での主産予定者の数が多い)。でもお産も帝王切開もなければ、そして天気もよさそうだしと、と思うと・・・・・。悩ましい。


そしてこうやってあれこれ考えることが、ささやかな時間であるけれど、ま、楽しい。などと書いていると、朝方に入院があり、そして時に分娩監視装置上モニターに注意ということになった。でも、この方が土曜日にまで続くことはない。この方は今日中には決着がつくことであろう。

トンネルと抜けると、青い空が広がったとしても、その先にはまた新たに道が続き、新たな分岐やトンネルもあるかもしれない。その先を心配してもきりがないので、心を平静に保ちながら、道の先に少しでも心地よい風景が続くことを願いながら、雨が降ったら、傘をさして、淡々と前に進もう、と。

道すがら、どこそこに寄り道してあれを買い求め、道端の風景に足を止めて、と、まこれが私の一生であろう。

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青と白と緑と黄色と茶色。もう少しヒマワリがそろって咲くと良かったけれど・・・。建物は熊本地震後の補修で今が一番きれいに見えるかもしれない。

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