2018年05月

今手元に2万円あって、自由に使っていいとする。さて、どうするか、と。

これが30年前だったら、高額な教科書を買う、学会用のカバンや衣装代の一部とする、あるいは学会の旅費の一部とする、ということになっていたかもしれない。

これが15年くらい前で、福岡にいたころなら、ブルーノート福岡(当時ブルーノートが福岡に存在した)に行く、コンサートにいく、高級焼肉屋・寿司屋などで散財していたかもしれない。あのころと今の福岡は当然違うわけで、さらに今ならきっとお店がいっぱいあって、あちこち目移りして大変であろう。(福岡の話はまたどこかでしよう)

開業した当初なら、まだ時間に余裕もあったし、私もまだ50歳前であり、、何回に分けて、もつ鍋や餃子屋や炉端焼きに出ていたことと思う。

つまり、お金の使い道も、使い方もこの30年で変わってしまった。その理由は、私を取り蒔く環境も変わり、私自身もその中で変わった、ということであろう。

またお金を使うとしても、誰と使うか、ということもある。30年前であれば、友人や先輩と、15年くらい前であれば、家族と、そして開業してからであれば友人やスタッフとということになる。で、いまなら、どうするか、と。

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もともとの性格として、根がせこいので、2万円を一気に使い切ることには少し抵抗がある。1回で2万円の料理を食べるくらいなら、3000円で7回くらい気軽な店で、友人とわいわいやりながら、というほうが好きである。

しかし、最近私自身の体調の問題(膝が悪くなり、胡坐や正座ができなくなった)と、性格の問題(まてない、我慢できない、うるさいところが苦手)ということがあり、静かなテーブル席でないと耐えられない。でも、安くてうまくて、静かで、おまけに料理も含めたサービスが3000円ですむ、ところはないし、あるはずもない。

ということは・・・結論として、3000円相当の材料(酒料理混み)を自分で購入して、で、それで週末ゆっくり過ごす、というスタイルに落ち着いたわけである。たまに、招待を受ければ友人宅に行って、と。どこかのお店に行くとしても、近場のお店でそこそこのお値段で、ということになる。週末の3000円相当で、自分なりのゆっくりした時間を過ごす、これが今の私のリラックスタイムであり、楽しみな時間となった。

これはここ30年での大きな変化かもしれない。

さて、週末が近づきつつある。今週はどうしようか、とあれこれ考えることも楽しい。

写真は裏庭。ようやく念願の花が咲きつつある。

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大体、花が咲いて30日くらいで実がなる。で、採れたてを食べることが、目標である。1か月後の週末のお楽しみである。

医師になって、約30年。そういえば私自身も変化した。外見は”爺”になった(髪の毛が薄く、白くなった)。そして体型は丸くなった。

高校卒業以来、慎重は変わっていないと思うので、たぶん175cmである。体重は高校時代60kg前半、大学でラグビーをしていたためか、それとも大学時代の飲食後の過食のせいか、卒業ごろには72kgくらいになっていたような気がする。

卒業後少しづつ体重が増え、開業時(約10年前)には78kgくらいになっていたような気がする。で、その後の不摂生で、最近ついに85kgとなった。82kgくらいになったころから、少しだけ走り始めたけれど、減らず増える一方であった。

で、ついに糖質制限を始めた。しかし、糖質制限をまじめにやると、私にとっては味気ない生活で、食生活の楽しみが減った。減る、ということは、週末の楽しみが半減するわけで・・・。で、そこで、糖質制限を原則に、地中海式ダイエットを併用することにした。そのおかげか、体重はこの3か月で、3kg減った。厳密に糖質制限をすれば、10kgくらいやせられるとの話なので、あと半年くらいかけて、80kgを切るくらいの体重まで持っていけたらいいな、と思っている。

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体重制限に関しては、妊婦様が診療の中心である以上、外来での会話に上ることも多い。患者様に指導する立場である以上、実効性のある食事指導をしたいものであるから、最近は私の経験をもとに話をすることもある。

また、最近感じることとして、空腹感を良く感じるようになった。腹減った、と。

考えてみれば、食事は習慣のようなもので、腹減ったという感覚がなくても食事をしていたような気がする。腹減ったと自覚して、栄養を補給するのは理に適っているが、腹減っていないのに食事をすれば、過食となるかもしれない。過食は、そのカロリーが脂肪として蓄積されるわけであるから・・・・

腹減った、という感覚は、どうやって生じるのか、自信はない。しかしたぶん血中の糖の濃度の低下、胃の膨満感の消失は関係していることであろう。血糖が低下していれば、脂肪由来の糖新生回路が作用しているはずで、つまり、腹減ったと感じているときが脂肪を燃やしているときかもしれない。ということは、腹減ったと感じる時間が長ければ長いほど、やせられるかもしれない。

空腹感が続くけば、何か立食べたいという思いが強くなるわけで、そこをこらえて、そして食べる。この時に一気に食べるのが良くないといわれているので、早食いの私の苦手なところである。そうしたときにアルコールがあると食べる手が少しやすむ。でもその分アルコールが入るからな、と。

また空腹感が続くと、仕事の効率も低下するような気がするし、怒りっぽくなるかもしれない。これはまた別問題を引き起こすでろう。つまり、効率の低下しない程度の程よい飢餓感を感じるように調整できればいいのか、と思い、そのための工夫も開始することにした。

こうした工夫で、目標80kg以下。できれば、研修時代に購入したスーツが着れるような体型にまで戻したいけれど、それは欲張りかもしれないので、せめて10kgを半年かけてへらせれば、と。

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写真は、久しぶりに始めたアボガドの発芽である。いつごろ芽が出てくるかな、と。

2009年から導入された産科医療保障制度、これもまたこの30年内の大きな変化でもある。公益財団法人 日本医療機能評価機構https://jcqhc.or.jp/のもとに、産科医療保障制度http://www.sanka-hp.jcqhc.or.jp/index.html が設けられ、約10年が経過する。

分娩施設として登録した施設での、さまざまな分娩における何らかの問題のある症例がここに集められ、その症例に対する補償が行われるとと同時に、その原因分析が行われる。そして、その原因分析に伴って、様々な改善の提言が公表される。

こうした提言を厳密に実施することは、実はなかなか大変である。しかしそれ行わなければ、産科施設としての存続が難しくなる時代がくることが十分に予想され、その実現に尽力せざるを得ない。そしてまた、そうすることが産科医療の安全を守ることでもある。

また、この10年の間に、標準治療という考えも主流となった。各種ガイドラインが発表され、そして数年を経て更新されていく。こうしたガイドラインから逸脱すれば、診療の安全そのものが大きく問われる時代となった。こうしたガイドラインの隅から隅まで、目を通すことはちょっと大変である。ましてや、専門以外の分野でのガイドラインとなると、私には限りなく難しい。なので産婦人科に関するガイドラインのみとさせていただき、専門以外の分野に関しては、基本的に他科(他院)を紹介することとしている。

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医療を取り巻く環境というか、制度というか、その例としてこの二つをあげたけれど、これ以外にも多数の変化がある。

年老いた医師が、一人どこかの田舎家で、古色蒼然たる医療を続けられるような世界ではなくなった。

仮に古色蒼然の外見であったとしても、一皮めくれば、分娩監視装置やインターネットが配備され、必要な情報は十分に獲得可能な環境で、本棚には各種ガイドラインが並び、医療の知識も常にアップデートされ、石も含めたスタッフが随時さまざな講習会に参加する。そうした環境が求められつつある。

医療の安全という観点からすれば、そこにはゴールはない。常に前を向いて障害を越えて、走り続けなければならないエンドレスの世界である。それは私自身も、スタッフも、そして施設自体も。

まだ今しばらくは、走り続けることはできると思うけれど・・・

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写真は当院4階の軒下に構えられた燕の巣である。大体ブログを書くのが朝であるけれど、日の出前が一番騒がしい。たぶん腹を減らした子供が騒ぎ出す。で、空が少しでも明るくなると親鳥は飛んでいく。で、私の部屋は4階北東向きであり、その同じフロア(といっても戸外であるけれど)の騒ぎ声が聞こえてくる、という状態である。

下から写真を撮ってみて、始めて3羽の子燕がいることがわかった。夏に巣立つまで、この早朝の賑わいは続くし、巣の下の糞害もつづくこととなる。


医療を取り巻く環境も、ここ30年で、変わらないようで、やはり変わった。

妊婦健診の補助券は、30年前は確か2枚しかなかった。それが5枚になり、今では14枚になった、つまり妊婦健診はほぼ無料になった。さらに今後は、産後の健診も2回まで補助券の出る自治体もある(熊本市は今季見送りである)。子供医療費も、3歳まで無料から、自治体によっては12歳まで無料という地域も出てきた。

これらの制度は、これからの世代を担う子供たちを安心して埋めるようにということであろうけれども、肝心の出生数は、年間100万人を下回り、今後もさらに低下することが予想されている。残念ながら、現在の制度だけでは少子化、そして日本という国の人口減少は避けられない。

引き続き、国も含めた自治体の対策に期待したい。やはり子供の声の響かない街は寂しい。

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以前から産科は、医療界の3Kであり、私が医師になるころから、産婦人科の人気は薄かった。その傾向は今も変わらないように思う。つまり、慢性的な産婦人科医の不足である。これは熊本県だけに限らない。

産婦人科ながければ、その地域の子供の数は減り、となれば、小児科もへる。するとますます子育てができない環境となるり、子育ての世代は、安心し出産育児のできる環境へ集中することであろう。その結果、さらに人口減少が進む、という負のスパイラルに陥る。

一方、産婦人科も含めて、医療世界を見つめる目は次第に厳しくなりつつある。医療技術を維持するだけでも大変なのに、その技術をアップデートしていかなければ、時代の流れに取り残されてしまう。残念ながら、30年前と全く変わらない医療の知識で、今の世の中で診療を続けることは、さまざまな意味で困難である。

医療を安全に行うためには何が必要か、と高度のフロフェッショナルとしての自覚と、その技術維持のためのトレーニングが必要である。そしてそれは医師個人に限らず、その医療スタッフ全体と施設全体にさまざまな基準が必要とされ、それを維持することが求めら、それを明示することも求められつつある。

なかなかこうした条件の維持は厳しいものがあり、現況ではそうした求められる施設基準をクリアすべく努力しているけれど、いつの日か、そうした努力をすること自体が難しくなる日がくるかもしれない。これは私自身の年齢、気力、能力の問題であるけれども・・。

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それだけ医療に求められる期待は高いし、その北に応えるべく不断の努力が必要であり、その努力ができなくなったら、医療の舞台から降りるべき時かもしれない。

舞台を降りて、バラ園とワイナリーと島めぐりもいいかも、と思っているが・・・。

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このバラ栽培の教科書の監修者は、京成バラ園の鈴木満男先生である。この鈴木先生が多数のバラの品種改良にたずさわり、当院でフェンスに植えている、この白いバラ(新雪)もその一つである、と最近知った。

私が医師になったころ(つまり30数年前)と今では、医療機器は大きく変化した。これは医療機器に限らず、PCにしてもスマホにしても、またゲーム機にしても。ある意味、こうした医療機器の変化(進化)により、医療も変わっていくわけであるけれど、こう変化が多いと、使いきれない機能も少しづつ増えていく。

すべてをマスターすることは難しいが、産科医療の必須項目だけはクリアしないと、現況の医療が維持できない、という時代になってしまった。

身近なところでは、血中酸素飽和度である。これは30年前は、血中酸素、二酸化炭素分圧を皮膚のモニターで調べる機械があって、新生児で利用されていた。モニターの感度が数日すると低下するので、数日後に交換していたような気がする。こうした機械にお目にかかることはもうないような気がする。

現在は、経皮的血中酸素飽和度測定の機械におきかわり、成人用では安価な機種が出回り、私も現在外来で利用している(過呼吸の患者様を落ち着かせるために)。こうした機械も、以前は、外国製のメーカーしかなかった。しかし、国産の機種も出てきた。

そしてそうしたことを背景に、血中酸素飽和度の機械は、生後の新生児の観察、術後のお母様の観察になどに欠かせないものとなった。

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超音波機器も変化著しい。30年前は、産婦人科における超音波は、おしっこをためて、腹部から見る超音波検査であった。検査のためにおしっこをためて、観察するため、ちょっと面倒であったし、おしっこを我慢していた画かなければならなかった。それが、10年後くらいに、経腟超音波が標準となり、そして血液の流れを見ることも容易になり、そして4D超音波ができるようになった。

4D超音波ができるような超音波機器の出現により、機器自体にの性能が大きく向上し、超音波検査によりチア時の観察がより正確に行えるようになった。

ただし、超音波機器は、導入時より高額であり、機器が進歩した現在も、高額な機種であることに間違いはない。当院でつかうのは、私の技量からしても汎用機で十分であると思っているが、その汎用機でもそこそこのお値段である。

他にも、輸液ポンプ、保育器、電子カルテ、分娩監視装置、・・・と数え上げればきりがない。ま、それが進歩というものであろう。

そうした中でやはり言及すべきは、通信手段の変化である。確か、30年前は、極めて大きく思い携帯電話があった。でも高額で、一般の人が利用できるようなものではなかった。そのころの連絡手段はポケットベルと呼ばれるものであった。

なにかがあると、ポケットベルが鳴る。で、それでどこかに電話して、確認して、帰るというパターンであった。しばらくすると、ポケットベルが3か所対応で、ベルの音が変化し、この音はどこ、この音はそこ、というように変わり、そしてさらにしばらくすると、メッセージが表示されるようになった。そして20年位前に携帯電話が出回り、街中の公衆電話が少しづつ姿を消していった。

そしてさらにスマホ、アイパッド、WiFiと大きく環境は変化した。

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残念ながらそうした環境に私はうまく適応できないので、PCでこうしてブログを書き、スマホは電話機としてつかくらいで、ちょっとだけアプリを使う程度となった。

この様に医療を取り巻く環境は大きく変化し、それについやす費用も十分にコストダウンしてきた。しかしそれでも、産科診療を適切に保つために、医療器械に投資する額は、確実に上昇し、これらの機器を十分に備えるためにはそれなりのものが必要である。おまけに、こうした機械は時に壊れ、時に更新が必要であり、となれば、その費用は減ることはない。

この費用対効果は難しい問題である。しかし、現在の産科医療を、より安全に進めるためには、これらの医療器械への投資はさけられないので、頭の痛い問題である。

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写真は、日曜日こっそりのぞいた、とあるお宅のバラの様子。かくありたいと、これも願っている。そしてそのためにバラお手入れセットを用意した。




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