2018年09月

先日、福岡の産婦人科を見学した。まだお披露目が終わったばかりで、中は新築の匂いである。家具も、床も、壁もきれいである。しかし、どんなにきれいな建物で、家具であっても、使用するうちに色が褪せていくものである。

私自身がグリーンヒルの建物に携わり約12年。当時の松山建築設計室の流れで作られたもので、今どきの松山建築設計室の作品である、福岡の産婦人科とは相通じるものはあるけれど、やはり変わったな、と感じるばかりであった。

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私自身の正直な感想として、建物(建物に限らずすべての物ふくめてであるけれど)は出来上がった時から、崩壊が始まる。それは当たり前の話で、出来上がった以上、そこに工事をすることはない。一方それを人が使う以上、そこに多少の変化が始まり、そしてそこに経年変化も加わる。

で、使っているうちにそうした変化になじんでしまう場合もあれば、こうした変化は気に入らないということもあるかもしれない。で、10年たつと、それぞれの変化がそれなりのものとなる。時に流れによる重みであれば、それはそれでいいけれど、明らかな劣化となると、どうするかと。

パソコンは耐用年数5-7年といわれているような気がする。別に5-7年を超えても使えるけれど、OSのサポート中止という問題と直面すれば、パソコンは交換せざるを得ない。また、木目調であっても、、木でなくて樹脂や化学合成のクロスやビニルであれば、10年もたつと劣化が目立つ。

こうした建物の変化に関しては、適切な補修も含めた管理が必要である、と思っている。

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昨日の秋の中、空は雲も少なく、青い空との対比で、壁の白がきれいに映った。でもこの壁がきれいなのは、熊本地震で多数のヒビが入り、そのヒビを補修して、その上から再度とそうしたから、きれいな一面を呈している。ちなみに、この白の部分は光触媒なので、雨が降って、太陽が照れば、光触媒のおかげでキレイになるようにできている(開業当初は光触媒は高価で手が出なかったことと、まだそれほど普及していなかった)

地震後の補修で、外壁の大幅補修を行った。また皺の寄ったクロスや、ひびの入った那部の壁も補修した。これが2年前。で、今年になって、補修した内装の部分と、補修していない内装の部分で少し差が出てきたので、今年の6月にカーペットを補修時に使ったものにあわせて統一した。

これで補修は済んだ、よしよしと思っていたところであった。

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しかしこの8月。たまたま室外機の補修時に、オイル漏れが確認された。

当院の空調は、クリニックの東側に設置された、これらの室外機8台と、他に数か所においた室外機によって調整されている。おおよその室外機の耐用年数は10-15年とされ、運用時間の目安や5万時間と聞いた。で、2階の空調と3階の空調の室外機の連続運転時間は6万時間と7万時間を超えているので、いつ壊れてもおかしくない。なので、春と秋に定期点検と、点検後の補修を熊本地震後から行っていた。

これらの点検と補修で、あと数年乗りきるつもりであった。

しかしオイル漏れである。オイルが漏れているということは、室外機のファン用のモーターのどこかが敗れたということであり、ということは今後ほかの部署からのオイル漏れも予想される。そしてそれが冬場に起これば、当院の空調は停止で、寒い寒い冬となる。

ならば、この秋の空調を比較的使わない時期に入替工事をしよう、といいうことになった。改修工事は必要最小限でと思っていた。しかし、いくつかの問題が発生し、その問題を解決するためには少し大掛かりな工事となることが判明した。

金額的にも、そして期間的にもそれなりものとなった。

ということで、10月1日より約2か月間かけて、当院の空調の入替工事を行います。室外機を交換することは、その対応する室内機も交換となりますので、病室も含めて、すべての部署におよぶ工事です。期間中は、病室や待合室の利用制限が生じる可能性があります。

できるだけ利用される皆様にご迷惑をおかけすることのないように、日時と時間を考慮して行います。しかしながら、どうしてもという場所が数か所あり、その際には多少の制限が生じる可能性があります。皆様のご協力をお願い申し上げます。



9月26日、ちょっと福岡に行く。ここ1年ほど県外に出たことはなかったので、久しぶりである。福岡県の粕屋郡粕屋町へ。

私は10年以上前に福岡に約5年住み、福岡市内の産婦人科で4年、古賀市の産婦人科で1年ほど働いた。その際にお世話になった先生が、新たに開業されるということで、ご挨拶に伺った。

https://yui-lc.com/

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場所は粕屋。ここもまた懐かしい。福岡に住んでいたときに最初に住んだ場所がこの近くである。海が近く、川や池もあり、自然も豊富である。(というか、この地にとある事情で住むために、そこに住むという前提で、仕事を探して、福岡市内の産婦人科で働いた、というのが順調であった)

15年ぶりくらいに現地を訪れる。粕屋は自然が豊かで、まだ畑や田んぼが広がっていた、というの当時の印象である。しかし、福岡市の発展に伴い、その周辺の開発もすさまじく、風景は一変していた。ただ、基本的には道路や交差点は変わるはずもないので、この道は何となく覚えているな、と感じながら、ナビを頼りにすすむ。

ナビを頼りにしても、道に迷うというのが悲しいところであるが・・・。それでもようやく無事到着。

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10月1日、診療開始とのことで、そのために準備中のなかにお邪魔した。写真は外観と待合室である。

設計は松山建築設計室である。当院の待合室と相通じる雰囲気はあるが、やはり少し変わったな、と感じる。

1時間ほど見せていただいた。さまざまな工夫があり、新しい試みがあり、まさに今が旬であるな、と感じるばかりである。あとは順調に診療が開始されることを願うばかりである。

それから足を延ばして、福岡市博多区の松山建築設計室へ。
http://www.matsuyama-a.co.jp/

当院の現況や問題点その他の相談でうかがう。1時間ほど過ごす。福岡市内の変貌はさらにすごいな、と。おまけにえらくパトカーが多かった。交差点でもあちこちに警察の方が。何かあっているのかな、とおもうけれど、これが福岡の日常かもしれない。

本当はそれからもう1か所個人的に行きたいところがあったけれど、時間的に難しかったので帰宅する。またの機会に、と。




外来に陣痛が来た、といって妊婦様がお越しになる。で、まだ笑って会話できるような状態では、たぶんまだお産に至るような強い陣痛ではないことが多い。とはいえ、時に笑いながら内診台に上がってみたら、びっくり。急いで分娩台に運んでお産という妊婦様もいないわけではないけれど、ま、大体の人は、そう簡単には生まれない。

要は、生まれるための陣痛はそれなりに強い痛みであり、その痛みにある程度さらされることで、子宮口が開いてきて、お産に至る。となれば、その入り口が開くまでの間をどこでどうやって、過ごすか、ということにある。痛いし、いつ生まれるか誰にもわからない。妊婦様も不安であり、そして痛みにさらされることからくる疲労と睡眠不足が続く状態となる。

お産に関しては、初産であってもつるりんと生まれる人もいれば、2日3日と時間のかかる人もいる(この連休中はそうした方のお付き合いをした)。誰でも痛いのは嫌いと思うので、できれば痛みの無い状態でつるりんと生まれれればいいけど、と個人的にはおもっている。なぜなら、時間がかかってなかなか生まれないと、帝王切開の文字が頭をよぎるので・・・。

現在、医療安全を重視され、様々ガイドラインが存在し、より安全なお産のために、ということなると、結構煩雑なルールがある。胎児心拍監視装置を付けるのは当たり前として、随時でいいのか、24時間装着か、と。ある意味では、陣発したといって、入院すると医学的監視の元になる。当然さま座な制限があるわけで・・。

医療上のルールにはさまざまな根拠があって、そうなっているわけであるから、そのルールから大きく逸脱して何かが生じたらとんでもないことになるので、ということはそのルールを外すことはできない。医療安全のための必須事項である。

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当院の分娩待機室は、個室で、ソファベッド付なので、ご家族が一緒に滞在される場合もある。鶴井臨と生まれる場合には、ご家族の滞在時間も短くて済むけれど、2-3日かかる場合には、家族も大変である。

妊婦様が痛い痛いの状態で、よこで旦那がいびきをかいて寝ることはできないであろうから、一生けんめい腰をさすって、それでも生まれなくて、さすりながら旦那もうつらうつら。で、気づいた奥様から”ちゃんとさすってよ”と叱咤激励されることあるかもしれない、と。

この陣痛の痛みは、やはり経験した人でないとわからないことであろう。私は性別上男であるから、経験することはできない。ただ、これまでの当院でのお産5000例には大体ついているので、その横で、皆様の痛みの状態を拝見したこととなる。厳密にいえば、当院での無痛分娩が約3割、帝王切開が2割弱なので、5000例の約半分くらいが自然分娩である。

陣痛の痛みに耐えて、人間が成長する、ということはない、と私は思う。ただ、痛いことは事実であるから、その痛みを非常に痛かったと感じたままでいるより、その痛みに何らかの意義付けをして、貴重な経験をしたと異様に理解すれば、その痛みの経験は無駄ではなかった、と考えられるであろうし、次につなげられるかもしれない。

痛みに対する恐怖、不安感だけを残すような形でお産が記憶に残らないことを願うばかりである。

写真はミルク牧場からの帰り。この写真の中にグリーンヒルが存在するはずである。探してみたが、精度が悪く見つけられなかった。でも、この山の形で考えるとここら辺かな、と。


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先々週、玉名牧場へいった。で、今度は阿蘇ミルク牧場へいった。目的は国産チーズである。

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これらの商品を手に入れた。残念ながら、お目当ての大きなチーズ(円盤状)はなかった。贈答品としての時期だけ出荷する、とのことであった。

単に、私の場合、熊本に住んでいるので、地元の素材で作ったチーズがあればいいな、ということである。もう少し熊本県内を探してみるが、なければすこしエリアを広げざるを得ない。北海道なら手に入るような気もするが・・・。

と同時に、こうしたフレッシュチーズをどうやってたべるかというのも、新たな問題である。いつもパンにつけるというわけにもいかず(まして私は糖質制限である)。となると、サラダに混ぜるというかたちなるかな、と。ちょっと勉強しなくては。

帰りがけ、西の方を望む。

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この風景のどこかにグリーンヒルがあるはずであるが・・・。

開業当初、様々な思惑が交差して、出来上がったのが2007年4月のことである。当時、私の母より開業に向けてと刺繍の作品を数十点ほどいただいた。開業当初、資金の節約ということもあり、遠慮なく活用させていただいた。そして、どうせなら、きれいに飾ろうと、壁にピクチャーレールなるものを設置した。

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院内各地に設置したので、このピクチャレールの設置費用は総額で結構な金額になった。上の写真でいえば、額縁の外側で、額縁をつりさげている2本の針金ということになる。これが、天井のところからレール―状の枠からつりさげられている。

これらの刺繍は、そのままガラスがなくても掲示可能であるが、埃や経年変化を考えれば、表面にガラスがあるほうが望ましい。しかし、ガラスがあるので、写真撮影の際には、私の姿や室内灯が微妙に反映されえている。そのため一部の写真が少し見苦しいのであるが、素人撮影なので勘弁ください。

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1階から3階まで、各地に掲示した。2か所だけ、友人からもらった絵画とリソグラフを掲示している。

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これはそのうちの1枚。

長く掲示しているせいか、私自身は、どの作品ももうクリニックの一部であるような気がしている。

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さて、クリニックのHP再作成にあたり、いろいろと考えて、現在文章や写真も一新することにした。クリニックのHPは、開業までと開業直後のさまざまな思いの詰まったものであるけれど、10年もたつと、その内容と、現京都の間に、少し解離が生じてきたような気がした。

そのままの文章と写真を使うことも考えたが、それでは実情にそぐわないし、10年以上前の写真をつかって、これが今もそうですよとすることは詐欺のような気もするし、それならいっそと、いうわけである。

10年前の思いはそれはそれで大切な思いであるけれど、開業して10年の重みもあり、それを加味して、HPを改定する予定で、現在作業をすすめている。ただ、そろそろ期限も近づきつつある。

またこの秋には、新たに写真撮影も計画中である。

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でも、なんでもそうであるが、出来上がった時から、その出来上がったものは古くなる。ただ、建物と違って、HP自体は色あせることはないし、メンテナンスも可能である。

一方、建物やさまざまな診療機械は、時の経過ともに、変化し、メンテナンスを怠ると使用不能となる。ということで、この秋には渋々ながら、空調機器の大幅更新をおこなわなくてはならない。とんでもない費用になりそうでああるが、空調が使えなくて、どこかの施設のようなことを引き起こすわけにはいかない。余力のあるうちに、と。



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