カテゴリ: 医療

コメントにもいただいたが、人間は忘れることができる。だから、痛みや恐怖を忘れて、また同じことに挑む場合もあれば、実際に近づいたときに、その極限の瞬間を思い出して怖気ずく場合もあるような・・・。そしてお産の時の記憶も、必ずしもすべてを覚えているわけでもなくて、印象的なこと柄は覚えていても、その前後のことは抜けている、というのが普通の人では、と思う。

なので、次は無痛にしょうと思ったり、あれが怖かったので今度は帝王切開で、ということになるのであろう。当然中には、おさんはもうこりごりという方もいらっしゃることであろう。

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さて、これはお産をする側の立場の話であって、それでは、お産をお手伝いする私立場からするとどうか、と。

確かに印象的なお産は存在するし、帝王切開も存在する。時には目頭が潤むこともないではないが、時には冷や汗もののお産も存在する。でも基本は私は仕事して、淡々とお産という現場で、主人公(これは妊婦様と赤ちゃんである)が少しでもいい形でお産という行為が終了できるように、現場監督の立場で立ち会うというのことではないか、と思っているので、できるだけ平穏な気持ちで従事したい。

お産中に罵詈雑言を浴びせられることはないけれど、お産中に別世界に行ってしまう妊婦様が時にいらっしゃるので(痛い痛いとわき目も降らずに叫んでしまう場合など)、その場合には少し強い口調で、こちらの世界にお戻りください、ということもあるかもしれない。

また、お産ということに関しては、これは最終的には主人公の生み出す力がないと生まれないので、痛みや疲れで諦めそうな主人公を叱咤激励するために、やはり強い口調となることもあるかもしれない。

後日赤面もの、ということもあるかもしれないが、意外と人間は忘れているし、あるいは忘れたふりをしてくれる。なので、叫ぶこと自体はどってことないけれど、叫んでそちらの世界に行ってしまって、お産ができないのは、困るな、と。

でも、そうしたことも含めて、それがお産である。様々な人がいて、様々なお産があって、と。できればその貴重な経験が、お互い(妊婦様と私たちの)のいい経験になればいいな、と願っている。

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私の中では、8月は青い空と白い雲とひまわりの黄色と、そしてロザリオの緑である。欲を言えば、南の島の青と白砂の白があればいうことはない。

クリニックの隣のひまわり畑は、咲くのが早いので、お盆前には枯れてくる。そしてどうもここ数日で刈り取られているようで・・・。

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ちょっと前の私の経験談で、手術時に痛みをとることの重要さを痛感した。する側と、される側と立場が異なり、よく理解できた。基本的には、大の大人が痛い痛いと叫ぶなんて、と思っているので、歯科に行っても、整形外科に行っても、痛いと叫ぶことはないけれど、やはり痛いのは痛い。どこまで見得をはれるか、ということであるような気もするけれど・・・・。

ある一定のところまでは耐えられる、でもその一線を超えると痛みには耐えられない、というライン(閾値)があって、このラインは人によりさまざまである。閾値が高いということは、つまり痛みに強いということであるけれど、痛みに鈍感であるかもしれない。一方閾値が低いということは、痛みに弱いし、痛みに敏感であるということとなる。

お産の痛みが分かりやすい話で、お産の痛みは、当然痛いと思って陣痛だということで皆様お越しになる。しかしその痛みの感じ方には個人差があるわけで、診察して、分娩の進行度を見ながら、入院かどうかの判断となる。残念ながらまだこれでは、ということでお帰りをいただくこともある。

痛いと思ってきたのに、と感じられるかもしれない。しかし、お産の進行状態は千差万別であるけれど、少なくとも今すぐ生まれるような状態でなければ、もう少しお産が進行するまではどこかで待機いただけなければならない。その間、少しでもリラックスできる場所が一番であり、いったん帰宅となる。それから痛みが強くなって再度お越しになるかもしれないし、あるいは痛みがいったん遠ざかってしまう場合もあるかもしれない。

で、次にお越しになるときには、当然最初にお越しになった時とは比べ物にらないくらいの痛みとなっているわけで、その時の痛みが強ければ、やはり妊婦様から声が出ることもある。

これは私の推測であるけれど、いったん痛いと叫んでしまうと、堤防が崩壊するようなもので、あとは生まれるまで叫び続けることが多いように思う。当然ながら、この痛みのクライマックスが、赤ちゃんが出るときの痛みなので、それまで声が響き渡ることとなる。

で、産んだら痛みから解放されるか、ということ、必ずしもそうではない。まず胎盤が出るときの痛みがあるし、産後の縫合もある。胎盤がつるんと出ればいいけれど、なかなかでない場合や、出た後に子宮が柔らかく出血が多い場合には、子宮の収縮を促すために子宮のマッサージをおこなうことになるけれど、これが結構痛そうである。なので、時におなかを触らせてもらえない場合もある。

そして縫合である。麻酔をせずに縫うことは、無痛分娩以外不可なので、会陰部をチクチクと刺して局所麻酔薬を注入する。当然のことであるけれど、この麻酔をするから痛みが取れて縫うことができるけれど、この行為が痛いのである。

で、こうした行為が続くと、あまりの痛さに、そして縫合への不安・恐怖感から産後の女性の防御姿勢となってしまう場合がある。腰が引けて、足がとじてしまう。そうなると、縫合という作業がさらに大変になり、時間もよりいっそうかかることとなるので、結果として痛みや不安を感じる時間が長くなる、という悪循環に陥る。

その点、無痛分娩は楽である。なぜなら、分娩時に痛みが取れるあるいは軽減していたことを経験したので、痛みに他する不安もすくなく、実質痛みもないので、腰をどっしりと構えて、姿勢としても縫いやすい。

さっさとやって、さっさとかえろう、というのがモットーである私にとって、この痛み、あるいは痛みに対する不安や恐怖感をいかに克服しつつ、医療作業を速やかに適切に行う、ということは改めて大切であるな、と思うばかりである。

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日曜日、結局どこにも行けず、午後から草取りをした。これは患者様から頂いたオクラ。どうも成長過ぎて、これは硬くて食べられそうにない。なので、これは来年の種用とすることにした。

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と書いていたら、お産です、と呼ばれた。電話口の背景に、痛い、という声が響いていた。

先日、薬屋さんからビタミンDに関する雑誌をもらった。

ビタミンDのレセプターは体の随所に存在し、その結果として、ビタミンDは骨粗しょう症以外の様々な状態に関与している可能性がある。ビタミンDは食事摂取(魚とキノコ類)と日光を浴びることで、得ることができるが、日光の有害性が強調される昨今、ビタミンDの量が不足気味の人が多い、というものであった。

そこに国立環境研究所のビタミンDに関する報告がある。これは2017年の報告である。
https://www.nies.go.jp/whatsnew/20170410/20170410.html

そして、現在の日本の11か所での適度な日光浴、あるいは有害となりうる時間をウェブ上で公開している。
http://db.cger.nies.go.jp/dataset/uv_vitaminD/ja/index.html

この記事を読んで、実は私もサプリメントを服用しようかなと思った。でも、時に草取りと称して、過度の日光浴をしていることにも気が付いた。

熊本場合、近くの宮崎の値を参考にすれば、3分程度で必要なビタミンDはつくられることなり、22分以上浴びれば有害事情(日焼けによるやけど、蓄積すればシミそばかす、そして皮膚がん)などが生じる可能性がある。いつも草取りや芝刈り時には、1-2時間外にいるから、十分に有害事象が生じていいことになる。ま、日焼けならよし、やけどなら控えようかな、と思うことにした。
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昨日は法事でちょっと街中へ。終わると午後3時、天気はいいし、草は伸びているし・・・。ちょうど専門の方にお願いして、芝刈りはしてもらった。私もちょっとお手入れ程度にあとから参加した。


7月20日ごろより新形式の無痛分娩に移行するため、現在その導入のための各種機器や職員トレーニングなどを行っている。で、そこで一つ新たな話題が飛び込んできた。

神経麻酔分野での誤接続防止コネクタの導入について、というものである。詳細は、以下を参照いただきたい。
https://www.pmda.go.jp/safety/info-services/medical-safety-info/0185.html

旧製品は2020年2月までの出荷で、新製品は2019年秋から冬にかけて出荷開始と聞いている。で、これが導入されると、旧式機種と新式機種の接合はできないので、順次切り替えるということではなくて、バッサリ切り替えないとその手技自体が行えなくなるということになる。

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具体的にいえば、当院で行う無痛分部や帝王切開時に実施する麻酔関連の手術機器は、一般の静脈注射用の機器とは接続できないということになる。となると、バッサリ切り替える時期を考慮しないと、使えない大量の在庫が発生するということにある。

またこの移行期には、発注する側も注意して発注しないと、使えないものが届く、ということになりかねない。おまけに切り替えの時期が、12月から2月という時期がつらい。例年、年末年始の物流の停滞(年末と新年の問屋の休み)を見込んで、多めの在庫を抱えるようにしている。通常通りそうすると、そのあとに大量の使えない医療器材を抱える。

それでは年末までに切り替えるか、と考えてもみたが、年末までにすべての医療器材が新規格ですべて揃えられる自信がない。そうした状態で年末を迎えることにも不安がある。

となると、少し多めに在庫を抱えて、当院での切り替えを2月以降に持っていく方が無難であるような気もする。でも多めに在庫を抱えれば、多分使えないものが多少は生じるであろう。それは仕方のないこととあきらめるしかないかもしれない。

ちなみに、このHPによれば、泌尿器系、呼吸器系も早晩同様の環境となるが、現行ではまだ切り替えの時期は明示されていない。医療安全という流れの中で、取り残されないようにするのは、大変である。でも、これは医療の世界だけに限らず、世の中自体もやはり少しずつ変わっていくのであるから、仕方のない事であり、適応できなければその世界にとどまるしかない。

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最近写真撮影をしていないので、開業当初の写真から。写真は当院のパウダールームのものである。

先日患者様から、当院のシャワー室のシャワーについて問い合わせをいただいた。頭の上から、横から、と多方面からでるTOTOの製品TMC95ECRである。現在これは水垢がついて出が悪くなったので、数年前に同じ型番の製品に変えた。それなりの金額がかかったような気がする。

現在の頭痛の種は、上の写真の照明である。患者様の仕上がり具合を確認するためには、それなりの照度が必要であり、このような電球の配置となっている。最初は蛍光灯であったけれど、現在はLED電球。LED電球は不点とならない、という話でLEDに変えたけれど、やはり1個ずつ不点となった。

この環境(湿度、ヘアドライヤー使用による電圧の変動)がその不点の理由であろうと思うけれど、なかなかいい解決策が見つからない。設計事務所と照明担当者と現在相談中である。

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ちなみに、開業当初は、この奥の部屋でアロマを実施ていた。現在諸事情でアロマを中止した。たぶんもうアロマを再開することはない、と思う。


 


当院では、開業以来無痛分娩を行っています。通算件数は、現在まででおおよそ2600件となります。その間の総分娩数が6100件くらいなので、おおよそ4割が無痛分娩となり、2割が帝王切開、4割が自然分娩という割合です。

開業当初の無痛分娩のスタイルはどちらかというと計画分娩を中心に、以前の経験をもとに導入したものでした。実際に施設で運用するにあたって、いくつかの変更を行い、2011年大幅な変更を行い、以来改定バージョンで行っていました。

少しづつ可能な範囲でアップデートを行い、より安全で、効果的な方法へと少しづつ変わって、今のスタイルとなっています。初期の無痛分娩以来変わらないことは、当院においては、いつでも無痛分娩を希望する場合には無痛分娩をおこないます、ということと、硬膜外麻酔のための使用する穿刺機材です。

施設によっては、夜間や祭日は不可、計画出産のみ、という施設もあります。しかし当院はいつでもOKとしていました。これは院長である私が、大体クリニックにいるので、夜間でも祭日でも、私が穿刺し、以後の管理を責任をもって行う、ということが背景にあります。そのため、私の慣れた機材を使用するので、穿刺キットも変わらない、ということになります(慣れた機材が使いやすい)。

ただ、そうしたいつでもOKというスタイルの結果、自分で自分の首を絞めているようなところもあり、いつでも夜中にお産以外で起こされる、ということにもなります。でも、やはり痛い痛いと、叫ぶ妊婦様も時にいらっしゃいますし、また、頑張ろうと思っていても日が暮れて、草木の眠る丑三つ時にも痛くて眠れず、お産も進まないと心も折れる方もいらっしゃいます。

なので、無痛分娩はいつでもOK、というスタイルは、私が院長で元気な間は続けたいと思っています。

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当院においては帝王切開もほぼ硬膜外麻酔であり、無痛分娩の麻酔も硬膜外麻酔であり、その9割以上は私が硬膜外穿刺を行っています。これだけ数をこなせば、大体の方は穿刺できるという自負心もあります。

しかし、やはりどうしても時にできないことがあります。何回穿刺しても、うまく到達できない。そのような場合で、時間に余裕があれば、知己の麻酔科医に出張麻酔をお願いすることとなります。月に1回ほどそうしたことがあります。

私が穿刺できない大体の場合は、妊婦様の背中の脂肪の厚さにつきます。硬膜外麻酔を実施するためには、背中を丸めた姿勢で横になっていただいて、腰骨当たりの背骨の骨と骨の間を針で刺すのですが、お肉が厚いとどうしてもこの背骨の骨と骨の間がわかりません。

穿刺される妊婦様にとっても、背中は見えないし、針で何回もさされればやはり不安もあり、その結果腰が引けて、姿勢も悪くなる、という悪循環です。さらりと、スパッと、これが極意であろうと思っていますが、やはりどうしてもうまくいかないとには、ヒトを変えて、状況をかえて、ということになります。

ただ、その時麻酔科医師に連絡がつかない場合には、残念ながら無痛分娩は諦めていただくしかない、というのが現況です。(緊急帝王切開の場合、当院で麻酔が不可の場合は、緊急搬送となります)。

なので、無痛分娩を希望される方には、やはり体重コントロールをお願いしたいと常々思っていますし、それで麻酔ができなければ、体重のせいだからしかたがないかな、とも。やはり妊娠においては、適切な体重増加がのぞましい、と思っています。

さて、こうして確立しつつあった、当院の無痛分娩のスタイルを、今後のより安全なスタイルにへんlこうするため、現在職員と私のトレーニング中です。7月以降は新しいスタイルとしたいと、様々な準備をしています。

新しい無痛分娩のスタイルのためには、私を含めたスタッフのトレーニングと、それに対応するシステムの構築が必要であり、カルテの書式や機械が必要となります。そのために3月からトレーニングを開始しています。ただ、こうしたトレーニング、新しい機器の導入、新しい薬剤の用意と変更追加する事項も多く、経済的な負担も増加した結果、8月以降の無痛分娩の費用は増額へと改定されます。申し訳ありません。

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熊本の梅雨入りはまだで、一部の地域では水不足で田植えができない、という話も聞いています。クリニックの裏では地下水を利用して潅水しているようで、蛙の声が響いています。

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