カテゴリ: 医療

全開の話に続く話題である。

睡眠と食欲は、私自身の健康の指標であると思っている。体が疲れたな、と思うとやはり眠い。なのでちょっとでも昼寝をして(この場合の昼寝は30分以内であって、寝すぎてはいけないとされている)、頭をすっきりさせてと心がけている。

診療の終わりがけに腹減ったな、と感じれば、きちんと仕事ができたということであると思っているし、時にフィールドワーク(単に園芸もどきであるが)や自転車や走った後に、腹減ったな、と感じて、そしてご飯を食べれば、基本的に何を食べてもおいしい、と思う。

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私の場合、そこに週末の楽しみとして、お酒があればなおうれしい。そうした週末の料理やお酒は、正直言うと、高額な物ではどうも私の肌に合わないようで、講演会やパーティーなどの食事ではどうも中途半端でかえって満足感がない。自分のペースで気兼ねなく、食べて飲んで、そして可能であれば気の合う友人と会話ができれば、大満足である。もともと小心者だから、料理の金額やお酒の値段を見てしまうと、これがいくらかなと考えてしまうような調子で、よくない。

なので、今一番楽しいのは、まずその前に、十分に仕事なり運動をして、充足感のある状態で、食事に向かい、自分の予算内でお酒をのんで食べること、であろうか。

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さて、そうした私の状態を患者様に求めているわけではないけれど、でもやはりと思うところがある。

基本的に、お産は大仕事なので、やはり当事者も、その付き添いの人も、できるだけ、食べて、寝て、そして最後の大勝負に臨んでほしいと願っている。なんてたって、頭が出てくるときが一番痛いのであるから、その最後の大勝負までに体力を使い果たす、あるいは気力を使いはたす、これでは困るのである。

なので、可能であれば、それまでの体力の温存と。と同時にあんまり早くから、気負って緊張しても、先が長いので、お産が早くすすむ場合は別として、時間がかかる場合には、それなりの対応をしてほしいな、と願っている。

とはいえ、そうした思いは、やはり初めてのお産の人はなかなか理解しがたい面もある。こんなに痛いのだから、と外来にお越しになっても、まだ外子宮口は開いていません、といわれて帰るときっとがっかりされると思うけれど、でもまだまだなのである。

まだまだは、まだまだであって、その”まだまだ”から、”いよいよです”の間を如何に過ごすか、これがお産の体力温存の秘訣ではなかろうか、と思っている。なので、お産に関しては、出来るなら鈍感なほうが望ましい。これが陣痛とは思わなかった、来てみたら入り口が8-9cm開いていた、というほうが・・・。

人によってその痛みの感じ方は様々に異なるけれど、でもお産が済まない限りその痛みから解放されることはない、と分かっていても、そうはいかないし、あとで振り返ってみればその思いは理解できるかもしれないが、目の前でてんぱっていたり、痛いと叫んでいる方にはなかなか理解はいただけない。

でもだからこそ、お産に当たっては、大仕事なのであるから、十分な睡眠と体力の温存を心がけてほしいし、だからこそ食事と水分も十分に補給してほしい。疲れ切ったからだと頭では何もできないのである。(そうしたときに、無痛分娩が手助けになるのであれば、利用すればいい、というのが私の考えである)

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また、これは出産後に退院したかでも同じことである。退院して、育児が始まる。慣れない世界である。うまくおっぱいが出ればいいけれど、中にはおっぱいで悪戦苦闘する場合もある。母乳育児が有効であると、あちこちと耳にして、プレッシャーがかかり、がんじがらめんとなり、どこそこの母乳外来にかかり、自宅では搾乳して、と。

確かに努力をしないと身につかないのも事実であるけれど、おっぱいの出方や赤ちゃん個性もあることであろう。まして、産後1か月以内で、まだ実家にいて、強力な援護体制であればいいけれど、産後から自宅で夫と二人で臨む、とか、ご主人の実家で同居である、とかの環境だと、そこにさまざまな環境的な要因も絡む。

新生児が誕生することで、人間関係にも新たな面が出現するし、ジジババのの援護・助っ人・口出し・ちょっかいと様々な思惑が交錯する。その結果として、食欲もない、元気もない、眠れない、おっぱいも出ない、となりかねない。というか産後1か月健診時にそうした方に多いすることも少なくない。

現在、そうした方への支援も以前に比べればはるかに手厚くなっているし、妊娠中あるいは妊娠前から産後までそうした体制への支援も行政も含めて対応が始まっている。でもそれでもやはり時に何かが生じるわけである。

当院でできることには限りがあるけれど、時に1泊2日コース、あるいは2泊3日コースで、退院された産後の方が赤ちゃんと一緒にお泊りをされることがあります。その間、お母様は寝て食べて、と。赤ちゃんはナースステーションでお預かりと。十分に寝て食べると少し元気が出ます。お帰りの際には、今後の対応についてできれば家族とよく相談していただいて、と。必要であれば様々助っ人を頼んだり、場合によっては人工乳を検討したり、と。

やはり、食って寝て、今日も元気と感じてほしいな、と願っています。そのために必要な物で、当院で提供できるものであれば、どうぞお使い下さい。

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写真は、上段は当院の屋外の白梅。まだ数輪しか咲いていません。一方、下段の2枚は盆栽の白梅。待合室においておいたら、1週間で咲き散ってしまいました。もう少し寒いところにおいておけば、もう少し楽しめたのに、と後悔。

別に第一印象が云々とか、見た目大切とか、そういうことではない。陣痛です、と連絡がありお越しになった方は、まず、その表情と状態を観察する。これは私に限らず、スタッフ全員に言い含めている。

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外来の診療中にそうしたケースがあれば、まずは受付のスタッフが最初の判断をする。玄関から入ってこられた方の状態を診て、苦悶状の表情や歩けない、という状況であれば車椅子で速攻で分娩室に運ばれる(これは受付のスタッフがその場で判断して、後で私に分娩室に運びました、と連絡がある)。で、分娩室で診察して、あとは状況に応じて対応(お産になる、あるいは待機室に移動)ということとなる。

一方、表情に余裕のある方であれば、私の診察をしてから判断するということになる。大体の場合、お産になるような方の痛みはその時点で結構強いので、普通は顔が痛みに歪むのであるけれど、時に平然とした顔で、実は子宮口全開の一歩手前という経産婦様の場合もあるので、こればっかりは診察してみないと何とも言えない。

で、診察して、まだお産には遠いな、と判断すれば、分娩監視装置を装着して、子宮収縮と胎児心音を確認して入院かどうかの判断をすることになる。妊婦様の不安や疲労が強ければ入院を勧めるが、まだ余裕で、時間がかかりそうであれば、自宅でのすこしでもリラックスをすすめる(入院すれば生活の制限と、分娩へのプレッシャーがかかるので)。自宅で、少しでも分娩が進行することを願うばかりである。

そうした場合には、大体、痛くてしゃべれないくらいに痛みになったらお越しください、と説明している。

夜間の診察の場合には、夜勤を担当している助産師により診察をして入院の判断ということなる。(巣スタッフの少ない頃は私が担当していましたが、睡眠不足の原因であり、これは解放されてうれしかった)
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なお、陣発した、あるいは破水した、という電話の声があまりに切迫している場合には、早急なラインをお願いするし、万一車の手配が間に合わない場合には、救急車をお願いすることもある。基本は、陣痛が来た、破水した、などの理由で救急隊に連絡することは慎まなければならない。しかし、遠方である、あるいは周囲の渋滞で車が移動できない、などの特殊な場合であれば、救急隊にお願いせざるを得ないと思っている。

また、妊娠末期になって、いつまで運転していいのか、というお問い合わせをいただくこともある。これは基本的に妊婦様自体の対応によると思う。ある程度痛くても、自分を律することができるのであれば、運転をしても大丈夫であろう。過去に実際、自分で運転して、そのまま出産したという方もいらっしゃった。

しかし、痛くて注意がおろそかになり、事故という事態は避けたいし、また破水すると車の中は極めて面倒なことになる(羊水には塩分が多少なりと含まれているので、車の内部に塩水がまかれたら、どうなるか、とういことである)。破水に伴って気も動転するかもしれない。なので、基本は10か月になれば、運転手付きの生活をお勧めする。最近のタクシーには、妊婦様対応をうたっている会社もあると聞く。

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写真は、当院の裏庭。1月になり寒くなり、ついに日日草も枯れつつある。たしか、最高温度が14度以下になると、枯れると聞いたような気がする。ビオラは白と黄色とオレンジの三色が今年の色であるけれど、さむくなるとビオラの世界である。一部季節外れの芝桜のピンクががあったが、これも最近は減りつつある。

分娩に関しては、基本は妊婦様の意向次第である。出産前にバースプランを立てていただき、基本的にその意向に沿う形でと思っている。ただし、そこに医学的な理由があり、医学的介入が必要であれば、その程度の応じて、”柔らかく助言をする”から、”強く勧める”までの形となる。

最終的には妊婦様とその家族の意向で決定されるわけで、こちらがいくら勧めても、同意が得られなければ、そのままの形となる。こうした私からの推奨は、基本的には過去の経験に基づくものが多い。

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緊急性のあるものであれば、即断が必要であり、帝王切開であれ、吸引分娩であれ、母体搬送であれ、速やかに事態は進む。短時間で結論を迫られ、よく考える時間もないと思われるかもしれないが、その分悩む時間がない。後で落ち着いた時に思い返すことはあるかもしれないが、その時点では、次のステージ(育児・哺乳)の問題が生じるので、関心はそちらに移ることであろう。悩むとすれば、子育てが一段落し、次回の妊娠の前後となるかもしれない。

一方、ゆっくり進む分娩であれば、これは時に悩ましい問題を引き起こす。もともと分娩であるから、その予測は難しいのに、ゆっくりとなると、その時間的な展開を妊婦様に説明することは難しい。破水してなかなか分娩が進まない場合もあれば、際限なく続く陣痛発作に襲われながら、いっこうに分娩が進行しない場合もある。

お産がゆっくりすすむのであれば、それはそれなりに理由があるわけで、赤ちゃんが大きいとか、骨盤の進行方向が少し歪んでいるとか、赤ちゃんが上を向いているとか、・・・・云々。陣痛が弱くなっている、ということであれば、必要時胎児心拍と子宮収縮をモニターしながら、薬剤で陣痛をつけることとなる。しかし陣痛を促進したからといって、分娩が必ずしも進むとは限らない。

どう考えても、赤ちゃんの大きさとお母様の骨盤の状態からすれば、陣痛さえ来れば、生まれそうなものであるけれど、やはり生まれないことがある。なので、やはり自然の陣痛が一番であるし、自然の陣痛で進まないのであれば、それはそれなりの理由があるし、だからこそ、赤ちゃんの状態が良ければ、自然の陣痛が来ることを待ちたいと思っている。

しかし、破水した場合、どこまで待つかとういことになる。母体が発熱した場合には、母体の疲労が著しい場合には、と、さまざまな状況が存在する。そしてそこに家族の意向というものが加わり、やはりお産は人さまざまなのである。

そして、当たり前の結論であるけれど、最初に戻るのである。つまり、緊急を必要とする事態であれば、速やかに判断をうながすけれど、緊急を要しない事態であれば、緩やかな助言にとどまり、事態の推移を見守るということになるのである。

当たり前のことであるけれど、しかし陣痛が来てひーひー言っているお母様にそうした道理を説明してもなかなか理解は難しいかもしれない。なので赤ちゃんが元気な間は、私も含めたスタッフは進行を見守り、お母様から問い合わせがあればお応えする。でも緩やな進行であれば、その見通しの説明はむずかしい。

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フェンス沿いのバラのお手入れをしました。思い切ってバッサリと。野ばらは特によく茂っていました。

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問題はこれ。剪定した後の枝です。本来なら堆肥にとすべきですが、棘があって、扱いに苦慮します。ごみとして出しても、棘があるので・・・。乾かして、燃やして、少し量を減らせれば、とおもうけれど・・・。バラ園ではどのようにおていれをしているのかな、と思うばかりです。


2018年の出産件数は540件であった。帝王切開であれ、自然分娩であれ、無痛分娩であれ、基本的には院長である私が担当する。ただし、帝王切開とお産が同時並行した場合、あるいは私が所用でどこかに外出して代行をたてていて、お産で呼ばれても帰宅が間に合わない場合には、他の産科医に分娩を依頼する。しかし、それ以外の場合は基本的に私が担当する。

確か、2018年には、クリニック過去最高の1日6件の出産があったような気がする。今朝もこのブログを書いているわずか3時間の間に3名生まれた。お産が続くと、それなりの負荷が私にかかるので、それは疲労が増すわけであるけれど、当院は基本的に一人産科医の施設なので仕方がない。でも、考え方を変えれば、一人医師なので、お越しになった妊婦様は顔見知りであるし、その方を外来から出産の入院、そして産後の診察までを通してみることになるわけで、その点一貫していることになる。

責任の所在も明確であるし、私自身その方が気が楽である。と同時に、そうした経過を見ることを続けていくことで、私自身のやり方もその結果を見ながら少しづつ変更を加えていくことになる。

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年間540件であれば、月に40数件のお産があり、1日に1名から2名生まれる勘定になる。統計を取ればそうであるけれど、現実には、そうなる日もあれば、そうならない日もある。時に6名生まれ、あるいは短時間で3名生まれて、と。ま、いつも土砂降りが続くわけではないし、時に晴れれば、時に雨が降り、台風も来る、くらいのほうが変化があって、楽しいと最近考えられるようになった。(私なりの適応である)

とはいえ、待機室に時に数日鎮座される分娩待機者の方がいれば、あれこれ考えて頭を悩ませるし、の方のお産が済まない限り、快晴とはならない。

自分で選んだ道であるし、まだ私の能力の範囲内であるので、当面はこれでいいかなと思っている。ただいつの日か私の体力面での衰え感じたら、どうするか、という大きな課題が残っている。

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写真は、クリニック前の路側帯に咲く水栓。ようやく咲き始めた。

2018年1月から12月までに当院で540名の新生児が誕生しました。その中で、通常の自然分娩(これは吸引分娩も含みますが)が265名と約半分を占め、無痛分娩で172名、帝王切開で103名の新生児が誕生しました。外来にはのべ13,894名の方がお越しになり、うち1858名の方が新規にお越しになった方でした。

ちなみに、2007年の開院以来、通算で5894名の新生児が誕生し、その内訳は2422名が自然分娩で(約41%)、2546名が無痛分娩で(約43%)、926名が帝王切開で(約16%)となります。

一方、せっかく妊娠したけれど流産という形となった方も年間で30数名存在しました。これは手術を行った方々ですので、これ以外に自然に排出された方も多数存在するので、妊娠において自然流産に終わった方々が1割から2割程度存在したと考えています。

また、さまざまな理由で妊娠を中断せざるを得なかった方もいらっしゃるわけで、その理由は様々であり、苦悩の選択であったことと思います。こうした方も約1割程度存在します。

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さらに当院で出産予定であっても、途中で急激な合併症の出現のために高次医療施設を紹介という事態もあるわけで、救急車での母体搬送が14件となりました。生後の新生児の状態でNICU施設への搬送も15件存在しました。また外来で、他施設(これは高次医療施設や専門外来の施設)に紹介した方々が60名に達しました。

これ以外に里帰り、希望による転院などもあるわけで、それらもすべてひっくるめて、当院での成績ということになります。

こうした様々な方々の積み重ねにクリニックの一年があります。クリニックを何らかのご縁があってお越しいただいた方々に、すべての望ましい結果を提供できればいいのですが、残念ながら100%望ましい結果を提供できる、という事態には至っていません。

妊娠出産に伴う事象で、100%望ましい結果をだすことはなかなか難しいことでありますが、できるだけそうなるように心がけたいと思っています。と同時に、残念な結果に終わった場合、その行程をきちんと振り返って次回につなげるられるように、あるいは高次医療施設の紹介も含めて検討する、という真摯な態度が必要です。気を引き締めて、2019年からの診療に向かいたいと思います。

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写真は、昨年の10月に植えたビオラ。少し大きくなりました。2枚目は、動物園のたわわに実る柑橘類。これは誰も取らないのであろうか、ともったいなく思いました。


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